北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』595話の感想

20201204031633

 すっかり年末モードですな。


#595

 扉は横島先生。劇中に出てくる格好。かつ劇中で言及される格好。かなり珍しいケースだったと思います。

 そんな1本目。1本目は当然扉の真横に配置されるのですが、今回その配置を踏まえた描写が1コマ目に出てくる。会長が “横島先生 今日はずいぶん薄着ですね” と言いながら読者から見て右を指す。実際の横島先生の位置は会長の正面やや右方向なので、指の向きとは一致しない。扉を指してるということですね。本作はあまりメタ的な描写をしないので珍しかったと思います。まぁ、4コマなので全身の絵を描きにくい、せっかく隣に扉あるんだからそこを有効活用しよう、みたいな感じなんですかね。今までは2コマぶち抜きで全身を描くのが一般的でしたが。
 そんな横島先生の衣装についての話。12月なのに薄着じゃない? という指摘に対して、12月で忘年会があるから、と横島先生が答え、その真意でオチ。これを脱ぐのか‥‥と思わず想像させられてしまう話でしたね。実際には脱がない(脱ぐ描写はない)んだけど、エロいことを想像してしまう、という本作らしい仕掛け。

 ページをめくると忘年会開始。今週このまま忘年会の様子で終わります。生徒会及び会長の登場は1本目のみ。イントロダクションみたいな扱い。
 そんな忘年会。忘年会の始まりを告げるのは当然学園長の(退屈な)挨拶。乾杯するまでは酒を飲まない、という前提のオチになってるのが開幕にふさわしいネタでした。
 オチの内容としては横島先生なんだけど、アリアの空耳っぽくもある。アリアだったらもっとワクワクした顔になってたと思いますが、横島先生は至って平常の顔で言ってのけるw

 ワインを飲む小山先生。今週は横島先生回であると同時に小山先生回でもあったと思います。もちろんオチに関わるのは横島先生がほとんどなんですが、出番の量でいったら小山先生も負けてない。まぁ、フリみたいな存在ですね。
 ということで、ワインを飲む小山先生、そしてそれに反応する大門先生を受けての横島先生でオチ。直前のネタと4コマ目が横島先生の顔を正面から映したアップで同じ。飲酒ビフォーアフターという対比。
 他人同士の会話に途中参加して、その会話を下ネタで汚す、というのが忘年会あるあるというか、こういう人はリアルでも結構いるかもしれないw 本作の普段の下ネタだとあり得ない話なんですが、忘年会だと案外リアルかも。

 誰とでもうまくやっていける小山先生、を遠くから見てる横島先生。 “小山先生は気くばり上手いな” と思いながら酒を飲む横島先生がなかなか良い。誇らしそうにも見えるし、「私の前では気を使わなくてええんやで」的な良さも感じる。
 てか、サザエさん時空ですっかり分からないのですが、小山先生は忘年会初参加、みたいな認識で読むのが適切なのだろうかw 初めてなのに他の人と馴染んでてすごい、みたいなニュアンスを読み取るべきなのかどうか。
 オチとしては、小山先生が学園長とカラオケでデュエットしてるのを見てる横島先生でオチ。2コマの繰り返しで、 “気くばり上手いな” と同じ話なんですが、小山先生がやってることが微妙に違って、それを横島先生は見抜ける。これも横島小山の関係性の魅力が詰まってますよね。横島先生は「私は知ってるけどね」的なスタンスじゃないですか。前から好きだけど、やっぱこのヨココヤのライン良いぞ。

 大門先生がゲップ。飲み進めるとこういうこともあるよね、としっかり時間経過を感じさせる内容。
 大門先生がゲップを謝り、小山先生が “飲みすぎると出ちゃいますよね” とニッコリ。やばい、この小山先生の魅力がやばい。私もゲップして謝ってそれを笑顔で受け止めてほしい‥‥とか考えてしまう。
 内容とまったく関係ないですが、そういえば道下先生は忘年会不参加なんですね。まぁ、子供がいて大変ってのもあるだろうけど、久々に道下先生がちゃんと登場する可能性を秘めたシチュエーションでもあったと思うので惜しい気持ちも少し。
 オチとしては、2本前のネタと同じ構成で、小山大門の会話に横島先生が横入りして下ネタで誤解。 “飲みすぎると出ちゃいますよね” に対して誤解するんですが、このセリフは大門先生に対して共感の意味で言うセリフであって、だとすると横島先生は大門先生も「飲むと出ちゃう」と誤解した可能性が‥‥

 最終ページ。そろそろお開きの時間。学園長と横島先生が “時間過ぎるの早いですねー” とセリフがシンクロするほどの共感。体感時間のあるあるだと思ったら、詳細については食い違いがあった、と明らかになるオチ。さらにはその食い違い、学園長の認識が横島先生を傷つける、というオチになってて笑いました。めちゃくちゃうまいネタだと思います。横島先生がボケるわけではなく、それでいて学園長と絡み、時間の話をする忘年会ならではの話。過去にも描かれたことのある下ネタ以外の横島先生の要素なんですが、それが最高(最悪)のタイミングで事故的に飛び出る。本来なら気を使われる立場である学園長が気を使ってしまう、という捻れになってるのもおかしい。

 解散。横島小山が夜の街へ消えていった‥‥的な妄想もしてしまうんですが、普通に帰る。タクシーで帰るらしいのですが、ひょっとしたらタクシーをシェアするのかもしれない。カーシェアもしてたし、やはり自宅が近いもしくは同じ方向なのかもしれませんね。
 横島先生が「千鳥足」だと小山先生が指摘し、それに反応した横島先生でオチ。間に酔った顔のアップが1コマ挟まるのが印象的。普段でもこういうボケはしそうなんですが、今回に限ってはボケる意志はそれほど強くなく、無思考で反射的に行動したらああいうオチになった、という感じなのかもしれません。
 うまいのが、このオチでも横島先生の衣装が関わってくるんですよね。1本目でメタ的な方法で言及され、どんな格好してるか強く意識させられたのがこのオチに向けた布石になってる。こういうところが本作ホントうまいよなぁ。伏線回収してドヤァ! みたいな派手さはないんだけど、確かな実力による細やかな仕掛けのように感じます。


 終わり。来週は「映画の情報満載のセンターカラー記事つき」だそうです。いよいよ公開が近づいてきましたね。楽しみです。
 今週のお気に入りとしては「小山先生は歌が上手い」かな。忘年会ならではの内容だったし、横島小山のキャラクターの違い、そして関係性の魅力が詰まってて味わい深いネタだったと思います。下ネタじゃないだけでなく、横島先生がツッコミ的でもあるという意外性も良かったです。
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