北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『8マンVSサイボーグ009』5話の感想

 私は完全に『サイボーグ009』贔屓な読者なんですが、今回はもうほとんど『サイボーグ009』単独作でしたね。もちろん『8マン』要素も関わってはきますが。
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第5話「蘇る魔神」

 正直このサブタイの時点でテンションぶち上げですよね。本連載の初回で見たアレの衝撃が忘れられないんですが、そこの掘り下げが行われ、それが「こういうのが見たかった」の極み。

 8マン敗北後の話。完全に8マン不在(いるけど)のまま1話が完結するのは驚きでした。大人の都合とか、忖度とか考えちゃうじゃないですか。それよりも「8マンが負けた」の衝撃を優先した形だと思います。んで、その間にせっかくだからと『サイボーグ009』要素の掘り下げ。

 002と003が合流したところで、敵の襲撃。この3人のメンツが実に意味深いものであった、という展開が最高。本当に最高。要するに「地下帝国ヨミ編」でして、サブタイにもある魔神像。
 003が009にスーパーガンを託すくだりも感動的で、ヘタすりゃ「今回はこれが見れたので満足」となってもおかしくないんですが、003がこの場にいる意味はそれではなく、 “来たわ!! 空からじゃなくて海からだわ!” だったわけですよね。怪獣映画における怪獣登場シーンの前振り要員というか。このセリフからの、海から現れる魔神像、という見開きがもう本当に最高でね。初読時マジで感動してしまいましたよ。魔神像が見れる喜びってのもそうなんですが、原作における魔神像ってぶっちゃけ単なるガワであって、特に意味のないものだったじゃないですか。それが本作では魔神像自体にフィジカル的な機能があるというか、先ほども言った通り怪獣的な魅力がある。魔神像をこういう形で見れるとはなぁ……。
 んで、002がこの場にいたのは「どこ落ち」の生き証人ということですよね。ささやかっちゃささやかなんだけど、こういうファン心理をくすぐってくれる絵面が連続するのが本当に嬉しい。

 ゼロゼロナンバー敗北、からの魔神像内での悪役たちによる説明。記憶の情報的な抽出。スカールが単に009と8マンを倒すのではなく、記憶を抽出するために2人を「手に入れる」意味がある。それをそのまんま「手に入れる」という絵面で見せた見開きの構図とか最高でした。

 そして、そんな記憶抽出の技術とも関わってくる、魔神像の最深部。「魔神像といえば……!」とファンならワクワクしてしまうんですが、その期待が100%の形で実現する。当然3つの脳。平ゼロ版だと男性、女性、少年の声だった脳味噌。それが物理的にパワーアップした形で登場、見開きでドン! と登場するので熱い。オープンリール式磁気テープという旧式の技術を使ってるのはビジュアル的なインパクト重視ってのが大きいんじゃないですかね。関係ない作品になっちゃいますが、実写映画の『キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー』にも似たような人の脳をオープンリールに出力した様子が描かれてるので連想しちゃいました。興味あれば参考映像として是非。
 そんなブラックゴーストの計画が語られる場面、デーモン博士が “ガモか…” “…わが国の異端の科学者…” と言いながら『サイボーグ009』キャラの顔がイメージとして描かれるの、クロスオーバーとしての喜びに溢れた1コマですよね。ソ連繋がりという偶然の一致を見逃さない姿勢。


 終わり。ブラックゴーストの計画が明らかになる回だったということもあり、めちゃくちゃ面白かったですよ。アクション要素はかなり少ないし、8マンは1ミリも動かない回だったんですが、それも納得の情報量。「こんな魔神像が見たかった」が理想の形で現れたので本当もう大満足です。