北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年08号の感想

 微妙に爪が伸びてタイプしにくい。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。前回の答えは虎杖。正解。
 んで、今回。マグちゃん!! 明らかにマグちゃん。難易度的は面白くないんだけど、マグちゃんの切り取り方が面白すぎた。こないだの祭里もそうだったけど、ちょくちょくうまいことやってくる。作者(本コーナーの作者)の強烈な意志や美学を感じる。

表紙

 『マッシュル』2周年。トロフィーの頭がシュークリームになってるんですが、黄金のシュークリームが気持ち悪いので笑った。ちょっとアサヒビールの金のウンコ感もあるな。

金未来杯受賞作決定

 『人造人間100』でしたー。おめー。
 なんだけど、個人的には別の作品が圧倒的に好きで、今回は私の好みと一致すると疑ってなかったので、蓋を開けてみたら普通に違うので笑ってしまった。何ならブログやってた中で最も確信してた回なんですが。何も分からんもんやで。

読者プレゼント

 寿司。各商品の寿司ダジャレとかは定番で分かりやすいんですが、お題目の「SUSHI」の部分が意味不明すぎるので笑った。いや、さすがに意味不明すぎるので私が知らない何かのネタなのではないか? とか心配になってくるレベル。

巻頭カラー『マッシュル-MASHLE-』

 巻頭カラー。扉がかっこいいんだけど、ちょっとネタバレになっちゃってますね。ネタバレは言い過ぎだけど、「もうそれ出しちゃっていいの?」的な。
 本編。中継がどこまで詳細にされてるか分からないんですが、お父様とか世界が終わるとかあんだけハッキリ言っちゃっていいのだろうか。一応の体裁が崩れてるというか、「もう大会どころじゃないでしょ」と判断されてもおかしくない気がする。
 対水魔法。ここにきて単なる水というのはシンプルすぎて逆に強そう、みたいな。逆に言うと、だからこそ中盤のアビスくんのくだりは水魔法関係ないので正直それほど面白くはなかった。一応マッシュがブチギレるための下処理ってことなのは分かるし、そのパターンが本作において魅力的なのも分かるけど。
 んで、水の壁に対するマッシュの謎の構え。ぶっちゃけ、水切りだから壁を通過できた理屈がイマイチ分かってないんですが、あの構えの大ゴマの時点で「これは……水切り!!」と分かってワクワクしてしまったので私の負けだわ。水切りという回答がマッシュの筋肉大喜利としてもう十分面白い。

 それと、キャラクター人気投票のお知らせ。完全web投票らしい。複数票がある程度管理、抑制できるから運営的にちょうどいいんだろうな。ハガキ投票みたいな方法はよほどの作品以外はもうやらないのではないか。『ONE PIECE』くらい巨大になると世界規模の話になるので逆にハガキという方法にも限界あるんですが。あとは、ファンのツイートを促すことで、ファンコミュニティが活気づく、という効果も作品にとってかなりおいしい話なんだと思う。応募券のために紙ジャンプが余計に売れるよりもファンがネット上で盛り上がる方がうまみがある、という判断もあると思う。

『呪術廻戦』

 レジィ視点で進行するけど、読者は伏黒を応援して読む。この捻れが面白いし、十二分に機能してるとは思うけど、レジィが「とっておき」とか言って露骨に情報を隠すのは漫画的都合が前面に出過ぎててちょっとアレ。もちろんそれによるオモシロがあるのは納得だし、実際それなりに面白かったんだけど、「そんなそのまんますぎる方法ある!?」と驚いてしまった。まぁ、レジィはレシートから何を出すかが楽しいキャラなのでこういう引っ張りは確かに楽しいし、実際出てきたのが想像以上のデカさで笑ったんだけど。
 総合体育館なので地下はプール。体育館をただのだだっ広い場所として終わらせないのは見事だけど、プールの件は正直知らんがなでもある。いや、これはこういう大がかりな体育館に馴染みのある人にとっては「なるほどねー!」と飲み込みやすい展開だったのかもしれない。そんなちゃんとした体育館、全然知らないし、何なら一度も行ったことないかもしれない。

僕のヒーローアカデミア

 黒い。さすがに黒すぎる。家で「ギャレゴジ」を観てるときにも近い「暗すぎて何なのか分からん」。映画館(単行本)を想定した作りだから一概に作品が悪いとは言わないけど……というモヤモヤ。
 トガちゃんの帰省からの家の消失は良かった。弔のオリジンだっけ? コーギーが死ぬエピソード、あれもすべての問題の根元である家が最後にぶち壊れることで、ヴィランの誕生なんだけど「よかったね!」という爽やかさが少し生じる話で好きなんだけど、今回も同じ。今回は本人ではなく仲間が焼いてくれた、というのも味わい深い。 “感傷に耽る心があるとはね” とイジってたくせに焼いてくれて “優しいんだね” という関係性。2人とも良い。
 そんなヴィラン連合の仲間思いな面が強調されてからの、トガちゃんの秘密兵器。この流れも良い。仲良しだからこその切り札の恐ろしさを痛感する。

センターカラー『SAKAMOTO DAYS』

 イコライザカ病院で笑ってしまった。映画『イコライザー3』、順調に作られそうで良かったぜ。
 アクション映画好きとしては、本作にMRIが出てきた時点でその使い道は想像できたよね。わざわざあの場所に移動したことはどうせー?? みたいなワクワク。
 ただ、ORDERほどの人物がMRI程度の磁力で動けなくなるのはちょっと意外だった(機械ごと持って行くしかなかった着地も含め)。本作の強さの基準というか、怪力の基準がよく分からない。まぁ、多少の時間稼ぎにはなる、くらいだったら納得だけど。

Dr.STONE

 サブタイの「GIANT STEP」がほとんどネタバレのように機能しちゃってるんだけど、それ以上にワクワクが勝る。1ページ目でこのサブタイを見た時点でもう面白い。この時点で本話に対して満足感を得てしまったレベル。
 宇宙組と同じくらい地上組の描写が入る。主に説明。説明とリアクションって本作では何度も繰り返されてきたことだけど、科学者が千空ではなくゼノ。珍しい組み合わせなはずなんだけど、驚くほど違和感がなかった。いつも通りの面白さがある。ゼノも丸くなったな……。
 龍水は船乗りなので船に残る。ここで欲しがりキャラを曲げるのは違和感あるんだけど、まぁそもそも宇宙行きを一度譲ってるので、成長後の龍水として自然な判断だった、と受け取るべきなのかな。
 んで、サブタイの件。大樹がモロ引用するが、クロムが新鮮な気持ちで感動する、というのは面白かった。大樹が無意識に引用してるというのが「バカ対バカ」という感じで楽しい(バカではないけどね)。まぁ、ここで悪意ある誰かがパクリ目的で引用しても面白そうではあるか。

ブラッククローバー

 さすがに決着とは行かなかったけど、角の先っちょを斬る。その小さな戦果を見て団長たちが再び元気になって襲いかかってくる。そのしぶとさ、しつこさ、人間の抵抗って感じで熱い。それぞれが効果がないであろう攻撃を繰り返し、ボロ雑巾のように反撃されていくのとか定番ではあるけど、まんまと感動してしまった。
 んで、全滅、アスタもあと一歩で死ぬ……ところで助けが入ってエンド。「どうせユノでしょう?」と思いながらページをゆっくりめくったんですが、一瞬「どちらさん?」となってしまった。いや、分かるよ。分かるんだけど、頭が考えるより先の印象として。服装(の破れ具合)とかもイメチェン感として大きい。

『アオのハコ』

 話しかけたら相手が無線イヤホンしてて聞こえてない。正直クッソベタな展開なんだけど、本作がやると普通に良い場面になってしまうな。単なる「すれ違い甘酸っぱい」ではない良さ。そこらへんの作品だったらいわゆる「難聴」的な場面にしかならなかったと思う。
 からの熱中してるから聞こえてないのは大喜も同じ。ただし、話しかけるのは千夏パイセン。ここでの “聞きそびれたこと” が想像を超える直球だったのでアガる。さっきも言ったけど、シチュエーションとしてかかなり定番なので少しナメの姿勢が入ってしまうというか、「こんなもんだろ」的な考えが生じてしまい、それを越えてくるストレートの速球におののく。とはいえ、まぁあの疑問を抱くのは当然だよなぁ。納得でしかない。互いに悪いことしてるわけではないんだけど、どうも聞きづらい、という心理の機微もリアルだと思う。
 見開きを横向きにして無理矢理1ページにぶっ込んだみたいな場面も面白かった。『アオのハコ』というタイトルを象徴する場面でしたね。体育館以外の場面が多いので定期的に忘れるけど、青春のハコとしての『アオのハコ』。すごい今更だけど、このタイトルでやる以上、3人の競技は室内競技という選択肢しかあり得なかったのですね。意外と限定されるわ。

『高校生家族』

 『アオのハコ』からの『高校生家族』の本格(?)バレー回。熱い。どちらもサブジャンルとしてのスポーツもの、という感じでしょうか。より本格に近いのはむしろ本作の方だと思ってます。
 一郎の弱点。これがオッサンギャグであると同時に本格スポーツ漫画でも成立しそうな理屈なのが面白かった。一応年齢由来の弱点ではあるけど……というバランス。
 そして、弱点を見抜くスキル。個人技ではないので、見抜いた弱点を味方に教えることが出来る。地味にめちゃくちゃ厄介な能力だ。 “一人っ子…?” とギャグっぽくもしてるけど、この能力自体はリアルでもあり得そうな内容に収まってるのも良い。
 しかし、体力不足のリベロって嫌だなw

センターカラー『我は竜神』谷崎修平

 読切。竜と剣のファンタジー。「今時?」感があって逆に良いわ。普通に新鮮。主人公の幼さも含め、王道も感じつつ何気にめっちゃ新鮮。
 本編。古臭さも感じる王道感に興味を引かれて読み始めたら、過保護巨大母、というめちゃくちゃ今っぽい属性のキャラ出てきたので笑った。旅の相棒が母親って面白すぎるだろ。めちゃくちゃ新鮮。いや、よく考えたら『DUNE』でもそんな感じだったか。だとすると私が無知なだけかもしれん。まぁ、とにかく本作の分かりやすい個性として例の母親が存在してるのは間違いない。キャラは来いけど、まともなバトルシーンは全然ないってのも良かったと思う。
 武具がキーになる話だからこそ、中盤の奴隷ガールに裸にされる場面が意味深い。敵意がない相手とはいえ、あの鎧を脱がされちゃうのはさすがに危機意識がなさすぎるとも思うんですが、まぁそのくらいお人好しと考えればアリなのかもしれん。
 奴隷ガールの “この世界に あなたのような非力な存在が生まれてくるなんて……!!” 。守るべき可哀想な存在なのに、言ってることがイカレてる。この世界の闇を感じるようで面白かった。事前に “奴隷根性が染みついてる” と母に言わせたのも効果的。
 あと、悪役。基本的にはどのキャラも可愛い雰囲気で統一されてて、悪役も同じ世界の住人っぽさはある(デフォルメしたら普通に超可愛いと思う)んだけど、めちゃくちゃ不気味で、悪役としての言動もクズ&キモい。何か新鮮な主張するわけではないんだけど、悪役として結構好きだな。まぁ、バトル時のオモシロ戦法みたいなのはもう少し欲しかった気はする。シッポだけで戦うので胴体より上が不動で、絵的に代わり映えしないというか。まぁ、本体はまったく動かないで戦うってのは、あのキャラクターの本質を表してるようで面白いんだけどね。
 んで、武具。人間は弱いが、武具が強い。中盤の裸になる場面で “って力も無いの!?” というセリフがあったのも良かった。『ブラクロ』『マッシュル』『アヤシモン』みたいな筋肉要素すらないのが確定する。
 終わり。面白かった。すごい定番な雰囲気もありつつ、めちゃくちゃ変わった要素もあって独特。トータルですごい印象に残る。年末に本作のこと忘れてたとしても「ほらあの巨大な母親が出てくる」と言われたら「あったねー!!」と一瞬で記憶が復活するくらいフックが強い。

『ドロンドロロン』

 2号連続大増ページ。次回で終わるかは分からんけど、終わるんだとしたらキレイな前後編になってると思う。母の仇と出会ってドラが怒りに我を失う前編と、クサナギと協力するようになって反撃に転じる後編。転がり込んできた2号連続大増ページを遺憾なく作品の盛り上がりに還元してて見事だと思う。ひょっとしたら多少の偶然もあるのかもしれないが。
  “いいから刀になってくれ!!” からの “おれは…復讐の道具なの?” とか良いよなぁ。ストレートなテーマに対してそのまんますぎる話をやってるんだけど、その濁りのない真っ直ぐさを実現できるのが本作の、2人の魅力だと思う。そのまんまな話をやってるのは確かなんだけど、それを越えて2人が良い奴。超良い奴。ドラの全力土下座もそうだし、なぜかクサナギが下手に出て号泣してるのもそう。いや、クサナギの号泣は少しやりすぎというか、「ドラ反省しろよ」みたいな感じも少しあったかもw

『夜桜さんちの大作戦』

 長男と長女。イオンモールで買い物するだけなのに喧嘩が絶えない。このトラブルの無限発生ぶりが地獄なので笑った。長男が変人だから喧嘩になるなら分かるんだけど、全部がそれだけじゃない。変人だから起きるトラブルじゃないってのは少し恐ろしくもありますね。私たちの日常でも起きる可能性がある。レストランでの済んだ食器を重ねる問題とかなぁ、私は完全に長男側(重ねない)なんだよなぁw
 単なる好みの問題ならまだいいけど、次第に弟妹との絆マウントみたいな話になるので面白い(みっともない)。一緒にいる人によって見せる顔が変わるのは当然だからどっちが上とかないんだけど(気を使うのは悪い子とじゃない)、それぞれ見せる顔が違うからこそ「私のときと話が違う」が発生する。辛三プラモのくだりとか秀逸だったわ。あと、デスロブスターかっけぇw

『守れ!しゅごまる』

 さなぎ死亡エンドだったのをどう処理するのかと思ったら、しゅごまるが既に仕事してた。結構理屈がちゃんとしてるというか、むしろあの状況でしゅごまるが仕事してない方が違和感あった気すらしてくる。いつもは過剰に守って困った、という話なのに、物語の都合で守護がザルになるのはおかしい。スラッシュ滝沢も見事だったわ。
 からの新キャラ。キノコ使いなんだけど、完全におちんちん。露骨すぎるんだけど、本作のギャグはあくまでもしゅごまるを中心に形成されるので、チンコ観が幼いんですよね。あくまでも小学生がウンコチンコ連呼してるのと同レベル。さらには2人の年齢差(精神年齢差)によるギャップも生まれる。男女という差もあって何重にも面白い。
 意外と本格バトル展開になるのも良いし、バトル自体はちゃんとしてるんだけど、実況役のさなぎが “あれはキノコだから問題ないの” といいうテンションなのがおかしい。
 今ジャンプでチンコギャグをやるにあたってこれ以上ないバランスだった気がする。下品すぎないというか、下品さが幼い。

『ウィッチウォッチ』

  “夏休みに男4人で紅茶飲んでる図けっこうキツいですよね” という価値観の人はシェアハウスに向いてないと思う。まぁ、シェアハウス始めたての人の発言なので(それも事故的に始めた人)、そういう意味ではリアルなのかもしれないけど。
 マインクラフト。いつぞやのニュークラウン回(ホライズンだっけ?)とも通じる絵柄ギャグって感じですかね。題材が漫画やイラストではない、というあたり絶妙だと思う。まぁ、私は絵柄ギャグ好きなので、何度似たようなことやられてもマンネリよりオモシロが勝ると思うけど。
 んで、マインクラフト人間。5時間はこのままらしい。直接摂取すると効果が強い(解けない)ってのは今後何かに使えそうな情報な気がする。単純に今回の角砂糖、普通に凶悪な兵器だと思うし。
 ただ、夏休みで、シェアハウスしてる人たちにとって、5時間は別に何の問題もない。みんなの動揺が大げさな気もするんだけど、まぁ誰にも迷惑がかからない平和な環境でしょうもない笑いに包まれた日常、と考えると尊いものも感じる。
 満員で席が空いてたからってあんなに怒る人いないと思うんだけど。イライラしすぎでしょ。不安になる。
 風の影響を受けるのが困るから箱詰めしたのに、 “帰りはそのまま帰るのよ” って発想はないだろ。空で戻って落下する、というオチありきの展開だと思う。こういう理詰めは篠原作品の魅力だと思うので、そこが雑になるのは困る。

センターカラー『アヤシモン』

 カラー扉。妖艶でかっこいいんだけど、「誰?」ともなった。刀抜くと大人になるとかそういうことなのかしら……と思ったら違った。
 本編。バトル漫画の主人公が好きな理由。 “負けないからだ” だと言葉足らずで誤解を招くと思う。「諦めないからだ」で済む話なんだけど、決めゼリフとしては圧倒的に “負けないからだ” の方が魅力的ですね。
 あのセリフすごい好きなので、好きだからこそマルオ自身に何とかして欲しかった気持ちもあるんだけど、負けたまま終わらない(死なない)ためにも撤退する、と考えるとなかなか良い落とし所だった気もする。

『逃げ上手の若君』

 顔文字。生え際によって心の声を示すフキダシっぽいデザインになってるのですね。しょうもないギャグなのに、意外と細かいw こういうの好き。
 顔文字からの仮面、という流れも良い。ちゃんと仮面被ってる奴は何考えてるか分からない(裏切るかも)となったのも適切。そんなゲンバが仮面の下で本気になる、というイベントとしてもシンプルで良かった。 “他人を呼んで自分を護るか” とか辛辣すぎる。あそこで仲間を呼べたことに「さすが!」とか感じてたんだけど、立場を考えるとそれじゃ問題がある、と示される。なので、ショックを受けるゲンバに肩入れしてしまうというか、感情移入してしまう。

『あやかしトライアングル』

 カゲメイが狸をそそのかす。ウソではなく実際の経験を元に誘導するところ好き。カゲメイの中にもライトサイドがあって、それを利用してる。
 祭里が乙女になる。シロガネ、先生、からのー?? という三段活用が良い。やはり一番見たいのは……と満を持して登場する。極端に絵柄が変わるギャグではないんだけど、コケる瞬間のコマ割りとか完全にロマンスなのが良いよね。転んでもエロいことにはならない、というのも本作らしい意外性で面白い。

『破壊神マグちゃん』

 勝手に期待してガッカリするのもアレなんですが、本作のバトル回はもっとちゃんとしてるというか、もっと面白いことになると思ったなぁ。直接の決着はつかないにしても、攻防について気の利いた展開が特にないまま終わってしまったのが惜しい。一応カニウニのコンボとか良かったけど、マグちゃんが何もできずに終わったんだよなぁ。
 まぁ、ナプタくんが痩せるくだりはマジで笑いました。ちょっとメタっぽい味わいもあるよね。初期の体型のままだったら人気1位にはなれなかっただろうなぁ。
 ユッピーの目的はあくまでも流々ちゃん。ただ、流々ちゃんに危害を加えようとしてるのではなく、彼女の望みを叶えようとしてるに過ぎない。やろうとしてることはマグちゃんと同じなんですよね。なのにマグちゃんと敵対することになる、という構図が面白い。作品によっては恋のライバルみたいなポジションに収まりそうな感じですよね。「流々ちゃんのことを知りたい」って言い分だけ見ると完全に恋。本作の場合は流々ちゃんだからその気配まったくないけど、『ゆらぎ荘』とか『あやかし』だったそうなってたと思う。
 ユッピーと流々ちゃんによる日常もしくは平凡論。ここ、めちゃくちゃ面白かった。前に本作について「サザエさん時空でもおかしくなさそうな話なのに意外と時間経過が詳細に描かれてる」みたいなこと書いたと思うんですが、今回の討論が完全にそれ「サザエさん時空でいいじゃん」と言うのがユッピーで、時は過ぎるし “そんで死ぬ” なのが流々ちゃん。日常コメディの時間問題について劇中で話し合われてるのでメタ的な印象。そんな言い合いをすることによって当事者が日常の尊さを誰よりも意識してる、というのが感動的。
 面白かった、面白かったんだけど、少し簡素で物足りなさも感じてしまうのは、これは間違いなく私が本作に『ゆらぎ荘』の幻影を抱きすぎてるから。『ゆらぎ荘』も理屈っぽいし、時間が無情にも過ぎていく作品だったし、何より今回の時間というテーマ。『ゆらぎ荘』だったらもっとハードSFみたいなレベルにまで掘り下げて難解すぎてついていけなくなってたと思うんだよなぁ。もちろん、本作のユッピーが本作を読み見守る読者の立場になる決着とかすげぇ良かったとは思うんだけど、意外とシンプルだったなぁ、とも感じてしまう。もっとワケ分かんないレベルの来いよ!! とか勝手すぎる感想を抱いてしまう。やはり『ゆらぎ荘』は強い……。てか、本作を『ゆらぎ荘』の後継者扱いするのが無理ある話なんだろうけど、ほとんどの人には理解されないだろうけど、同系統の良さを感じてる読者もいると思う。

『にゃにゃころびにゃお吉』波風凪

 読切。ジャンプショートフロンティア再開。めでたいですね。ありがてぇわ。
 どんなアイディアで勝負してくるのでしょうか……と思ったら4コマが始まるので笑った。メタ的な仕掛けながら、今までなかったですね。これは見事。4コマのまま終わるのかと思ったら、という部分も面白かった。4コマが混ざる漫画ってそれほど珍しいとは思わないんだけど、あそこまで極端なパワープレイは驚くわw いや、ちょっと「急に大声出したらそりゃ驚くけどさぁ……」みたいな話なのかもしれない。けど、それを漫画で体験できたのは貴重。
 問題としては肝心の4コマパートが正直あまり面白くない。説明としての側面が強すぎるというか、すべてが説明でしかない、みたいな。もうちょっと独立した4コマ漫画として魅力的じゃないと「ただの4コマじゃないよ」という仕掛けが機能しないと思う。
 そんな4コマトリックだけで終わらない。実にショートフロンティアらしい内容で年始に読む作品としてふさわしかったと思う。なんだけど、ちょっとこの「ただの猫」を明かす場面が説明的すぎて正直くどい。 “おまえはただの” “〝猫〟じゃないか!!” のセリフだけで充分だったと思うんですよね。あの瞬間が一番面白かった。多少4コマの内容のリアルバージョンを軽くフラッシュバックさせるくらいが適切だったのでは。 “今までの姿はにゃお吉の妄想の姿で” はさすがに萎えるわ。
 強い気持ちが彼を化け猫として覚醒させる……みたいな超常的な話ではなく、頑張る猫のために人間たちが頑張るようになる、という現実的なアイディアでバトルを終わらせたのは良かった。にゃお吉の本質としてとても象徴的。彼がなぜ守り神なのか、という話ですよね。このバトル及びその勝利が。
 あと、ラストのアオリ、 “どんな苦難もにゃにゃ転び八起き!” もくどいというか、タイトルを繰り返すだけなので余計だったと思う。作品とアオリは作り手が違うから同一視してもしょうがないんだけど、本作に対して感じたマイナス点がこのアオリにも出てる気がする。もう分かったらわざわざ言わなくていいよ。

『PPPPPPP』

 こないだジャンププラス見てたら『ダダダダーン』が無料掲載されてて、そこで本作の前日譚だと紹介されてたんですね。本作との直接繋がる要素はないと思ってた(忘れてた)ので「なんでやねん」とか思ってたら……ですよ。勘が悪いというか、何も気づいてなくて申し訳ない。
 本編。乙骨憂太参戦!! みたいな話。読切版を無駄にしない(なかったことにしない)のは間違いなく『呪術』大成功の影響が少なからずあると思うんですが、良いことだと思うというか、メリットが多い話だと思う。まぁ、『ダダダダーン』のまま連載してほしかったんだよ! というファンもいるだろうが。なので、今回の金未来杯の『人造人間100』も同じパターンになるかも……。主人公が変わってたらそう確信して問題ないのでは。
 んで、登場。タイトルがそのまま表記されてるのは笑った。今週一番笑った。こんな情報の出し方があったとはw

『アンデッドアンラック』

 当然だけど、本作は『しゅごまる』みたいななかったことにはならない。あれはギャグ漫画だから飲み込めたバランス。本作でやったら結構信用を失う事態になってたと思うw 逆に言うと、本作はどんな理屈を持ってくるのか、というワクワクですね。
 ということで、救う方法。本作の土台とも言える設定を利用するんだけど、そこに至るまでにジュイスにもうひと仕掛けあって……というのが本作らしい。
 本作のことだから、リアルでの年始一発目にこれを掲載したかったのではないか……とか邪推してしまう。そうだったらすごいよな、と想像してしまうくらいには惜しい。まぁ、まだ2021年なのかよ、みたいな話にはなるかw

『僕とロボコ』

 最近ツイッターで話題になってたオシャレ系映画タイトルのデザインがネタにされてるのでマジでビビった。エモタイトル大喜利単体としても秀逸なのに。ちょっと感動すら抱くレベルというか、やっぱ本作すげぇな。
 現代アーティストによる超好意的解釈も面白かったんだけど、肝心のものに意志が宿ってる点は誰もがスルーしてるので全体を通じて不思議な印象になる。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。お題は「冬がテーマの脱力5・7・5」。
 東。井の線亭ぽんぽこさんの「積雪が」。新潟県からの投稿という事実が本作の説得力をブーストしてて最高。東京なので正直実感としては分からないですが、雪国のみなさん本当にお疲れ様です、と頭が下がる。
 やしライさんの「寒くなり」。作品に時間経過があり、状況が徐々に明らかになっていくんだけど、最後の最後にずっこける。脳内のイメージがゆっくりと鮮明になっていくのが川柳(俳句)の魅力だと思うけど、その最後があんまりなので笑う。
 ポキ丸さんの「白い息」。やったことあります!! めっちゃ分かる!!
 西。三浦翔真さんの「絶好調」。個人的には優勝。マジで笑った。読み方間違えた!! と即座に初めから言い直したくなるw
 合併号もわかりませんさんの「十二月」。ジャンプの冬というあるあるネタになってて見事だったし、ペンネームで追撃してくる感じも好き。常連には真似できない芸当w
 (仮)スマ戦車さんの「海釣りの」。ハガキに手書きすることを活かしたデザインになっててすごい。
 しぶめいじさんの「ヤケドして」。知らない世界のあるあるネタを知れたような感覚。脳内に光景が広がる良さもあって好き。

次号予告

 『若君』が1周年で表紙巻頭。つまり『アオのハコ』も1周年ということに。全然実感ないわ……。

目次

 『ドントルックアップ』はマジでめちゃくちゃ面白いし、世界の見方が変わる級の衝撃なのでNetflix加入済みで未見の人は本当にオススメ。

浮力も抗力もないのに何故、気泡が出るのかは甚だ疑問ではあります。
(『呪術廻戦』)

 笑った。まったく考えてなかったw SF的にガチ考証するのも面白いけど、今回はそこ掘り下げてもノイズになるだけ、という感じか。

熊に遭遇した時には「HOWEVER」を歌うと決めてます。最後の「言えなかぁった」が勝負
(『逃げ上手の若君』)

 それまで熊が待ってくれる前提。

福島県ベロリンガの滑り台があるらしく、行きたい欲が凄いです。素敵過ぎる。
(『破壊神マグちゃん』)

 行きてぇ!!! 調べてみたら目玉はラッキーらしいんだけど(通称ラッキー公園)、それでもベロリンガを挙げるあたりに上木先生の好みを感じる。




愛読者アンケート

 読切についてと、TikTok。使ったことない。それこそテレビで紹介されてる映像とかでしかTikTokがどういうものなのか知らないと思う。何か次々と出てくるんでしょ。最初の1秒が勝負、みたいなこと誰かが言ってた。新しいものに興味を示さなくなったのはまずいのかもなぁ、と実感する。すると同時に「新しいものにも興味持たなくちゃ」と動くのも違うよなぁ、とかめんどくさい思考も湧く。

総括

 久々だったけど、終盤にショートフロンティアが来るの、感想的にかなりしんどいw

 今週のベスト作品。『しゅごまる』だなぁ。ちんちんをネタにすることに対するクレバーさがにじみ出てて好き。
 両読切も良かったので次点。

 今週のベストコマ。『PPPPPP』より、あの人の登場シーン。マジで笑った。

 最後に今週のベストキャラ決めます。ベストコマに出しちゃったのであの人はやめとこう。

  • フーガウロ 『我は竜神
    • 特別刺さったとかではないんですが、それでもインパクトはすごかったし、本作最大のフックになってるのは間違いない。読切のキャラでここまで「こいつで殺す」という圧を感じたのは久々だと思う。

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