北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』556話の感想

 毎日花粉にビクビクしながら過ごす季節になりました。今日は調子いい。

#556

 扉はムツミ。やったー可愛いー!! とか思ってたら本編が怒濤のムツミ回なのでマジ驚きました。もちろん柔道部ネタで週跨ぎとかのがお祭り感あるかもしれないけど、1話におけるムツミ率でいえば史上最高は間違いない。なぜなら全ネタに登場。すごい。
 てか、タカムツの2人だけだったのも珍しいですね。モブは除くとして。こういう回でも最後に会長とかが顔出すのが通例だったと思うんですが。

 1本目。ムツミと遭遇。細かい話になると、タカくん視点で話が進行するのはこのネタと最後の8コマの後半のみ。1本目のオチがムツミと遭遇なんですが、それ以降は基本的にムツミによる進行。どちらの心の声が出てくるか、でハッキリと区分されますね。4本目だけ心の声がなく、フラットな扱いではあるんですが、逆に言うとほとんどのネタでは心の声が描かれる。ラブコメ的なギャグ、すれ違いを描こうとするとやっぱ心の声になるんですね。常にサシ、という人物配置の影響もあるかな。普段の人数だとまた違ってきますよね。
 定食屋でバッタリ。定食屋のオバチャンがレアキャラで気になる‥‥のはさておき、お店の名前ですよね。「定食穴」。シンプルな下ネタなので笑った。もうちょっと凝るとかなかったのかw まぁ、文字数の兼ね合いもあるんだろうけど。今週は2人だけなので当然ですが、下ネタはこの店名と、最後に出てくるバス停の名前のみです。最近律儀にこういう小ネタ仕込むようになりましたよね。

 相席。驚くほど波風のない会話で3コマ埋まる。これが本当の日常会話。普通すぎて異常という異常事態。
 からの4コマ目でいきなりオチ。即オチ1コマという勢いなんですが、よく考えるとフリは前のネタにあるわけですよね。相席で先に座ってたのがムツミ。注文は独りのときに済ませてある、という前提で成り立つ話。純度100のムツミ回、下ネタゼロ回なのでいつもと違うアプローチがされてるようで面白いです。

 前のネタから直結。「ついてねー!」というオチからの「ついてるかも」。マンガみたいな山盛りのご飯を片手に乙女なモノローグ入るのがムツミの良さである。
 そしてオチ。ここでも波風のない食事シーンからのオチなんですが、これまた、そこを拾うのか! みたいなアプローチで面白い。対面の相席、山盛りのご飯を左手に持ったムツミが画面左に座っていて、「ついてるかも」。これらのネタを組み合わせてのオチが見事だったと思います。普段だと下ネタなのでどこでボケてくるかある程度予測もつくというか、身構えることもできるんですが、今週はその常識が通用しないw そのせいか、こんな4コマも出来たのか‥‥みたいな意外性があってめちゃくちゃ楽しいですね。
 てか、ラブコメ回でのご飯粒ついてるネタってどう考えてもヒョイパクしてドキドキ、みたいな話するのが普通じゃないですか。その前に4コマが落ち切ってしまうのが本作らしいというか、独特ですよね。ラブコメは間違いないけど、ただ赤面して終わり、みたいな4コマにはしない。‥‥が、たまぁーにそういうのも出てくるから油断できないですね。

 山盛りのご飯は食べるけど小さな器の酢の物は苦手。ここに来て新しい設定が追加されるので驚く。普通の作品だったら来週以降この設定を踏まえた何かしらの話が出てくると身構えちゃうんですが、本作の場合はどっちなのかマジで分からない。後に出てくる乗り物酔いの設定も懐かしくて「その設定生きてたのか」とか思わんでもなかったのですが、この酢の物設定は如何に。
 オチとしてはタカトシくんの朴念仁ネタ。2人だけの秘密、そして今後2人きりで食事をする予感‥‥からのズコーッ!というオチで良かったですね。単に勘違いだったというのもおかしいけど、2人だけの秘密という部分があっさり崩れるのが泣ける。ただし、言い分としては何も間違ってないw
 柔道部という属性がここに来て初めて出たのも意外でしたね。ムツミ視点で考えると忘れがちだけど、タカトシくん視点で考えるとやはり柔道部というのが大きいわけで。
 ‥‥すっごいどうでもいいけど、1コマ目のムツミ、箸を左手で持ってる風なんですよね(2コマ目もそうかも)。他の描写では右手なんですが。絵の構図上左手の方が収まりがいいんだから利き手なんて気にしない、というストロングスタイル。エヴァの高さが細かく設定されてないのと同じ理屈。この例えを出すのはスズの身長の方が適切だとは思いますがw

 「おかわり無料」に悩むムツミ。乙女なので食べる量をセーブする、というネタは以前にもあってチリとかにツッコまれてたんですが、さらに一捻り。屁理屈って言えば屁理屈だし、考えすぎなんですが、この意味のない思考をグルグルしちゃう必死さが可愛いですよね。そのロジックが乙女ですし。そして、導き出された結論が、いつものままでいいや、というのが開放感ある。好きなだけ食べる口実を得たような喜びに溢れてるのが微笑ましい。ここで意地悪なオチを付けるんだと、乙女の考えすぎな理屈を考慮しない相手が「めっちゃ食べるな……」と引いちゃうオチとかになってもおかしくないんですが、タカトシくんは普通に微笑ましく見守って終わり、というバランス。どちらかといえばポジティブな印象を受けてるのかな、くらいのバランス。過程はゴチャゴチャしたけど、結果だけ見れば特に波風のない平和な日常を淡々と繰り広げられてる感。

 ラストページは8コマ。4コマごとにオチが来るパターンですね。帰り道、一緒にバスで帰ろうとするもムツミが乙女スイッチ発動。口臭を気にしてバス回避。過剰な運動量がオチになるのがムツミらしいんですが、直前までバスに乗る気満々だったことを示唆するアイテムとして酔い止めが出てきたのがうまい。レア設定としても嬉しいんですが、乗ろうとしたけど‥‥という話をアクション込みで描くのが漫画的だと思います。心の声で葛藤を描けば説明としては充分なんだけど、絵として。
 バス停でムツミと別れ、ここで1本目以来のタカトシくん視点に戻る。何も起こらずあとは独り帰るだけ、と思ったらムツミ再登場。最低でも1駅分走ったの!? という衝撃ですね。それもバスに勝るスピードで。通常ならあり得ない事態がムツミだからという理由で起きてしまう。バスの席はどう見てもガラガラなんだけど、何の説明もなくタカトシくんの隣に鎮座、というのも読者的にはおいしい描写でしたよね。口臭を気にするならどこに座るかでもう一度悩んでもおかしくないんですが、そこには迷いがない。
 あと気になるのはやっぱり駅名ですね。「栗鳥前」。定食屋の店名に続く下ネタ来た。本作の舞台はどこなのか、というのはぼかされてるのでハッキリと地名が出てくるのはレアですね。それがド直球の下ネタなのが笑える。今週話としては純度100のラブコメだったのにw


 終わり。ムツミ回で大満足ですよ。私もうすぐ誕生日なんですが、素敵なプレゼントになりました。あざます。
 今週のお気に入りとしては、「ついてるかも」のネタですかね。ラブコメ的にめちゃくちゃベタなご飯粒展開を本作流に、ムツミ流に変換してるのが見事だったし、セリフも情報も少ないながらしっかり落ちるのがムツミ回ならではの良さだったと思います。
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