北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年23号の感想

週刊少年ジャンプ(23) 2021年 5/24 号 [雑誌]

週刊少年ジャンプ(23) 2021年 5/24 号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/05/10
  • メディア: 雑誌

 モンハン、刺激を求めて新しい武器に手を出すも、操作方法やら装備やらがめんどくさくていつもの武器に戻る。虫棒、アプデで強化してくれてもいいのよ。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in 英語。『高校生家族』より一郎。やっぱ若い作品は英語圏にしか輸出してない説がありそうね。あとは、どのタイミングで『ONE PIECE』に戻るのか、も注目ポイントになるのではないでしょうか。

表紙

 『若君』。アイドルかよ、という感じである。ここまでアイドル感を打ち出してくる作品って今のジャンプでも極々わずか。

読者プレゼント

 大仏。大物と書いてダイブツ。全面的にダジャレで勝負してて個人的には好きな路線なんですが、ダジャレ以外の印象が弱く、人によってはイマイチな回かもしれない。まぁそんなイマイチとか判断を下すほど興味ある人がどれだけいるかは謎……って結構人気ありますけどね、このページ。

巻頭カラー『逃げ上手の若君』

 15話目にて表紙巻頭である。絶好調ですごい。
 本編。尊氏の紹介回。ライバルとして天皇の皇子が出てくるんですが、完全に踏み台。漫画的には尊氏がとにかく強い、みたいな部分が絵的にインパクトあるんですが、ぶっちゃけそれだけだと「とはいえ皇子を差し置いてそんなことあるかねぇ」となりかねない話ではあると思う。ただ、これは史実なので(知らんけど)、そこの説得力に終始する必要はないのでしょうね。ここらへん歴史物ならではの魅力になってて面白い。実際の歴史にどれだけ漫画的なギミック、ハッタリで脚色するか。まぁ、正直皇子の部下あんなに殺したらさすがに問題があると思うんだけど、そこらへんはどうなんだろうか。

Dr.STONE

 スイカがんばる。徹底的に孤独だけど、知識だけはスイカに継承されていて、そういう意味ではスイカは独りではない。人類史の蓄積である知識がそばにいる、的なそういうノリですね。まぁ本作全体が元々そういう話なんだけど、キャラクターが独りになってことで強調された形。そんな科学の結晶が1枚の紙として現れる、というのが象徴的だったと思います。さすがにスイカの記憶で実行するのは無理だったかw

ONE PIECE

 ぶっちゃけマムが味方してくれる時点で勝ち確で、申し訳ないけどうるティとか相手にならなすぎると思う。ので、玉に被害が及ぶ展開に関してはちょっと都合を感じるというか、マムの手落ちがひどい。なんだけど、ここでマム以上に怒るのがナミだった、というラストが激アツ。麦わらの一味の肝っ玉母ちゃん枠みたいなことですかね。最初は「うるティとかしょぼw」みたいな印象だったんですが、ナミの相手だと思うと「強敵でワクワクするやん」と印象が一変するので面白い。まぁ、マムはナミに興味がないので、ナミのこと無視してうるティ瞬殺とかしてもおかしくない……けどさすがにそれはないので何かしらのロジックが入るのでしょうね。そっちも楽しみ。

僕のヒーローアカデミア

 市民に石を投げられるエンデヴァー。ぶっちゃけ仕方ないと思うんですが、市民の最大の怒りは “まだ我々に隠し事をしてるって!!” 。ここで一気に怒りの範囲が広がって、デクにまで及ぶ。デク視点で見てても他人事じゃなくなるので面白いと思います。
 んで、デクに刺客が現れてエンド。予想外のピンチでハラハラ……かと思いきやデクがちょっとワクワクじゃないけど「きたきた」と高揚してるから面白い。そして見開きで現れた刺客の女性が肘からライフル出してて超かっこいい。『サイボーグ009』は膝からミサイルだけど、こっちは肘からライフル。なんかの作品で肘マシンガンも見たことある気がするな。なんだったかしら。

『ウィッチウォッチ』

 作中作「うろんミラージュ」。煙に巻く演出が特徴とかそこ掘り下げても面白そう。てか、若干特定の何かを批評してるような迫力すら感じる。
 あと、作中作のイラストが篠原キャラっぽくもありつつ、『ウィッチウォッチ』のキャラたちとは一線を画した絵柄になってて何気にすごい。別の人に描かせたとかそういう可能性もあるけど、篠原感の残り具合が絶妙。
 そんな作中作のイケメンが「うつろ」と「おぼろ」なのは『銀魂』オマージュという可能性あるかしら。まぁよくある名前なんですが。
 先生の女性オタギャグみたいな部分は若干既視感もあってそれほど乗れなかったんですが、生徒とのオタ交流が始まってからが面白い。先生はオタバレを恐れるんだけど、生徒の方は完全オープンなんですよね。オタク観の違いというか、世代の違いが現れてるように思います。まぁ、今の高校生がどういうオタクライフ送ってるかは知らんのですが(根が暗いオタクは普通に隠しそう)。単なるオタクの交流ではなくジェネレーションギャップも感じさせつつの「同じ趣味を持つ者同士って良いよね」という結論が良かった。
 生徒の方のオタ語りのときだけ「ペラペラ」になる演出がちょっとよく分からなかった。意図が読めない。オタクじゃない人が聞いて何言ってるか分からない、なら納得の演出だけど、違うからね。どういうことなのかしら。普通に先生のときと同じように圧倒的文字量ギャグみたいにすればよかったとか思っちゃう。

センターカラー『SAKAMOTO DAYS』

 vs恐竜。意外とスピーディーに動くのでかっこいい。これが肉抜きの効果か。
 恐竜はかっこいいんだけど、ぶっちゃけ坂本側は舐めプ。恐竜に見せ場用意したかった、という大人の事情を感じる。花ちゃんはダシに利用された。
 からの所長エンド。さすがに直接の戦闘力はないだろうけど、強キャラ風の雰囲気がビンビンなので楽しい。ちゃんと科学知識由来で。『dr.stone』とは違った感じの楽しさになりそうな予感。

『マッシュル-MASHLE-』

 デスゴング。聞いたら確実にノックアウト。そんな「相手は死ぬ」みたいな説明されても……とは思った。鬼ごっこありきで、そこに至るロジックが雑。あと、客席も全員ノックアウトな件が全然話として出てこないのも気になる。運営は防御魔法とかそういう感じなのかしら。
 ボディフェイントで勝利。メインのロジックはそっちなんだけど、今号のジャンプ的に気になってしまうのは、小指。『若君』でも小指ネタあったよね。なぜか強キャラの表現として小指が頻出する。かなり特殊なアイディアだと思うんだけど、なぜ被るのか。
 からの乱入。勝利の段階でマカロンの杖が折られてるのが重要ですね。マッシュとマカロンの共闘は期待できそうで残念なんですが、「ゴング鳴らせばいいじゃん」という問題は回避される。

ブラッククローバー

 マグ「ナ」。マグナの半分こ鎖はゾラの技術を応用して、時間かけて練り練りして蓄積したもの。そういう理屈なので、半年に1回。この手の制限設定って作劇的な都合を感じることが多いんですが、この半年に1回は納得度が高くて好き。あと、こつこつ蓄積して作り上げるものが鎖っていうのも絵的にコツコツ感あって良いと思う。
 そして、今週の注目ポイントはやはり下書きでしょう。そして次号休載。何度も書いた感想だけど、本作は諦めて下書き状態のまま提出する絵の取捨選択がうまい。回想の中でモンタージュする場面が下書きなんだけど、この場面は他の場面と階層が違うので絵に違いが出ても違和感が少ない(カイソウだけに)。何より白眉なのはラスト、どう見てもボクシングの技術で相手のパンチを交わすんですが、この交わす場面のマグナが下書き。素早く動いてるから精細な絵じゃなくてもいいよね、むしろスピード感の演出としてアリだよね、みたいな迫力すら感じる。いや、もちろん単行本では修正されるだろうし、元から完成してる方がいいから、ここで極端に「下書きだから良い」みたいなことを言うのもおかしな話ではあるんですが、間違いなくここには工夫が凝らされていて、その工夫がまぶしい。

センターカラー『大東京鬼嫁伝』仲間只一

 春の読切企画の第2弾。ショートではないよ。
 本編。鬼が嫁。百鬼夜行の主が「対は何処」してくる話。モンハンやりたくなってくるからそういう話やめてもらっていいですか。
 結構コテコテにラブコメだったでござる。ここまで偏るのは意外だったなぁ。サブキャラも女、敵も女という徹底ぶり。過去作、美少女要素のウケが良かったのかしら。
 美少女要素モリモリだけど、ギャグもかなり強めで、なかなか好みでありんした。 “設定語りはじめちゃってるよヲイ…” とか相当好き。こういう序盤に突然始まる説明パートって読切あるあるじゃないですか。それをメタ的に処理するのが良い。仲間先生何度も読切載ってるので、そういう意味でこなれてるのかもしれません。
 ギャグ多めかと思ったら、ギャグを交えたストーリーテリングも結構うまくて、気づいたらしっかり物語が進行してたりして非常に良い。上質。泳げないという話から敵が水攻めしてきて、かと思ったらそれが主人公が思い出すキッカケになって、ととてもスムース。「意外としっかりバトル漫画するのね」と思ったらしっかりギャグ的に落としたのも好きなバランス。鍋の具材ってのもうまい。
 序盤に本物の鬼だと示すために家のお札が燃えるんだけど、あそこでお札が燃えたから雑魚モンスがわらわらと近づいてくることになる。話が連続しておる。まぁ、あの感じだと経年劣化というより超強力な鬼が現れたから耐えきれずに燃えたように見えちゃう気もするんですがw
 終わり。たしかに面白かった。今まで読んだ仲間作品の中で一番好きかも。ぶっちゃけヒロインの溺愛ギャグみたいなものは少し月並みに感じられた部分もあるんだけど、他の細々とした部分が普通に良くできてて侮れない作品になってたと思います。あと、ギャグとバトルがうまい具合に混ざってるのは個人的に大好物のジャンルってのもあります。

『僕とロボコ』

 『アオのハコ』標的にすんの早すぎんだろw 『ロボコ』ワールドに千夏先輩が出てくるだけで笑えるからずるいわ。もはやこれ『アオのハコ』の景気付けとして外部からリクエストがあったんじゃないか、とか疑ってしまうレベル。ぶっちゃけ、早期終了する可能性のある新連載ってネタにするのリスクが大きいと思うんですよ。まぁ、面白いから四の五の考えても仕方ないんだけど。
 『アオのハコ』にはまだバスケ描写がそんなにないからバスケネタを擦る場面は「よく知らんでネタにしてるだろ」とか少し思っちゃうんですが、衝撃だったのはその後。風呂上がり、からのジャンプを介した急接近というドキドキ展開。これ前回の『アオのハコ』でやってた奴ゥ!!!
 これはネタにするために事前にいくつか読まされてた可能性もあるのかしら。もしくは完全に偶然。「同居設定だったらどうせこんなやろ」という宮崎解釈が大正解したのだとしたら、宮崎先生が慧眼すぎて怖い。むしろ予想できちゃうような展開を大真面目にしてる『アオのハコ』に問題があるのでは……みたいな気にすらなってくるレベル。
 なんだけど、後半、ロボコが美少女化して本当にドキドキしてしまうじゃないかー!的な展開に関しては「いや普通に『アオのハコ』の方が可愛いから」とか思ってしまう。ここで真正面から美少女勝負してきた度胸は買うけど、戦略としていくらなんでも無謀でしょ。てか、ロボコの可愛さにどんだけ自信あったんだ……。

J新世界漫画賞大募集中

 5月の審査員は上木先生。マジか! とページをめくる手が止まった。最近モンハンで時間が取れないからここの感想はいいかなぁと読むことが多かったんですが、めっちゃ興味ある奴であった。
 んで、今回は非人間のキャラデザ。お題も良い。好きな奴や。動物モチーフがいいよ、という話。 “現実の生物のキャラクターの立ち方は半端じゃない” が良い。たしかに『ダーウィンがきた』とか面白いもんな。
 例としてナプタくんが出てこないのが少し違和感だったんですが、そのまんまヒトデだから説明しがいがない、ってことかしら。そんなこと言ったらウニ助もかなりそのまんまな気もする。

『アメノフル』

 ツムギの美少女仕草が染み着いちゃってる感が面白い。 “私がバレたらミサキくんも一緒だねっ!!” からの「ツーン」とか、正直やりすぎなんだけど、彼女はああいう所作で現世をサバイブしてきた、とか考えると辻褄が合うというか、彼女のキャラクター表現として効果的な気すらしてくる。最初から徹底して美少女を自称してるので、ああいうムーブが癖になってるですよ、きっと。
 その後の “いやいけるか?” の天丼が本話のメインなんだけど、この相手を観察して「いける/いけない」の判断を下すってのが、今まで美少女であることを材料に他人をうまく利用してきたことの現れだと思うんですよ。序盤に “……あのあとどう逃げたんですか?” って話題のときにも出てたけど、彼女のたくましさというか、図太さ、世渡りのうまさを感じる。
 んで、アイスクリーム使いでエンド。メガネの持つ冷たい印象と結びつけたのでしょう。心に壁があって、何考えてるかよく分からない感じが「いけるか?」ギャグとうまいこと噛み合ってたと思います。

『アンデッドアンラック』

 2対1でいいのか問題。ぶっちゃけ前話の時点でその件はクリアされてるというか、だからこそ2対1のラストがかっこよかったと思うので、少し話が戻ってしまった感。ただ、掘り下げがいのあるテーマだとも思うので、まぁ面白いっちゃ面白い。
 んで、コンボ。正直絵面としてはめちゃくちゃ地味なんですが、まぁそもそも不真実が地味ですね。あと事前に「見切った」というセリフを出してるのも分かりやすくなっててうまい。
 からの師匠、武器持っちゃったよ、と少しガッカリ。まぁ彼の関心が勝負ではなく小娘を殺す方にシフトしたから、と考えればそれほど違和感ないのかもしれないけど。
 んで、串刺しエンド。アンディも同じことになってるんだけど、彼はあの程度じゃ何でもない、という前提の上に成り立ってるのが面白かった。
 そんな都合よく槍(棒)が止まるもんかなぁ、とか少し思った。そりゃ2人貫いたら速度は落ちるでしょうけど、貫通するほどの威力はあるわけで。

『アオのハコ』

 犬が可愛い。デフォルメの具合とかこないのだ『ウィッチウォッチ』より好みだ。てか、ジャンプに出てくる犬、みんな柴犬じゃない? 柴犬多すぎない? そりゃ可愛いけどさ、ここまで極端なのってすげぇな。
 あ、『dr.stone』に柴じゃない犬出ましたね。正直あそこの犬はそれほど可愛くないのですが……。
 蝶の人回。こっちはこっちで人気者だったのか。世間的な評価は(まだ)ないタイプかと思ってた。正直ここまで設定持っちゃうと恋の行方以前の段階で「なにこの勝ち組野郎共」みたいな印象になっちゃうリスクがあると思うの。それこそ「選ばれし者」だよ。
 まぁ、そんな蝶の人。選ばれし者で、何なら周囲から妬まれてる可能性すらあるんですが(正直ベタだから明示されてないくらいがちょうどいいと思う)、実はそれ相応の努力をしててマジリスペクト。人は多面的である、という展開良いよね。大事だよね。アホの子かと思ったら常に数字の計算をしてて偉い、みたいな意外性。
 決めシーンの軽くおふざけ気味の新体操ムーブも良かった。序盤に “新体操の女神が微笑んだ子!” というセリフあったけど、そんな彼女に微笑まれた、みたいな感慨もある。
 んで、ダブルデート構造になってエンド。県3位先輩は本気で笑ってるのが伝わってくるんだけど、千夏先輩の方はちょっと何考えてるか分からない感じの笑顔、薄っぺらい……薄っぺらくも見えるバランスになっててとても味わい深い。絶妙に感情が読みとれない。この精度は顔で勝負する本作らしい武器だと思います。

『破壊神マグちゃん』

 コピーマグちゃんを撫でるミュスカー。これは狙ってるわw
 からの、まさかの本格バトル展開。普通に面白いというか、ロジック重視のバトル展開がめちゃくちゃ私好みの奴や。まぁ、理屈っぽいのは本作の特徴なのでそれがバトルやったらそりゃ面白くなるわ、という感じでもある。『ゆらぎ荘』が優れたバトル漫画であったのと同じ。まぁ、『ゆらぎ荘』はちょっと理屈っぽすぎる気もしたんですが(だから私は狂信的に好き)。
 ミュスカーの運命操作には仕込みが必要。ぶっちゃけ超能力バトル、それも神レベルのものになると理屈とかすっ飛ばしてスーパーパワーぶっぱになる方が自然なんですが、この「仕込み」設定が入ることで、バトル展開に理屈と連結が生じる。そもそもコピーマグちゃんを兵器利用するウネさんのくだりからめちゃくちゃ面白かったんですが、その後の展開も面白い。最初から最後まで隙間なく面白いバトルでした。こないだのダンスバトルもそうだったけど、「昔のアレをこんな再利用するの!?」という驚きが良いよね。

『高校生家族』

 バレー部の練習試合。意外なほどスポーツものとしての強度がしっかりしてて面白い。いつも通りギャグはあるんだけど、ちょっとツッコミが控えめなこともあって、あまり雰囲気全体がギャグに染まらないバランス。背景にオッサン高校生がいる、みたいな感じで面白い。もちろんギャグに注目して読めば普通に笑えるんですが。バランスが絶妙というか、要素が複雑すぎるので、連載初期にこの感じは無理だったんだろうな、とか思う。いろんな蓄積がないともっと分かりやすくないとダメだと思うので。

『夜桜さんちの大作戦』

 皮下の「似た者同士さ」的なロジックはとても面白かったし、一気に彼の深みが増したとは思うんだけど、回想での皮下がちょっと良い奴に見えすぎるので現在とのギャップがある気はする。まぁ、あれだけのことがあって “夜桜に翻弄される” という認識でいることが彼の歪みとして象徴的な気もするのでそういうオモシロはあるんだけど。その被害者意識が太陽との決定的な違いですね。似た者同士なので、何なら皮下が太陽の未来の姿とも言える状況なんだけど、2人の道が分岐がこの被害者意識なんだと思う。

『あやかしトライアングル』

 さすがに母ちゃんとの混浴はキモいぞ。たとえ同性でもおっぱいもみもみはキモい。「息子→父」でも、「娘→母」でもあのスキンシップはキモさの塊だろう。あれをサービスシーンと受け止めるには本作を「どうせ漫画だから」と割り切ることが前提になるんだけど、そんな見方したくないと思うの。
 あと、タヌマロがなんか強キャラっぽい扱いになっててちょっと笑った。細かい設定覚えてないけど、そうだったっけ?

『ヤシャツバキ』小野玄暉

 読切。ショートフロンティア。小野先生すきー。屋宜先生がいなかったらショートフロンティアで一番の目玉になってたわ。てか、ショートフロンティア、人選が良い。ありがとう。
 本編。忍者と姫。これはバトルであり、ラブコメだ……と思ったらまさかの会話劇。どんでん返し系の仕掛けが多いショートフロンティアだったけど、本作は逆に何もないまま終わる。それがある種の意外性になってるし、そうじゃないとしてもこの会話オンリーで終わらせるのはショート読切ならではの試みなんじゃないですかね。
 会話だけで作品が終わってしまうんですが、その背景には忍者設定が色濃く感じられるし、血生臭いハードなバトルものの雰囲気も確かに感じられる。この直接は見せないけど、間接的に感じさせるバランスよ。絶品。
 シリアス忍者とゆるふわ姫の微笑ましい交流に思えるんだけど、それだけじゃない深み、苦みもうっすらブレンドされてる。本作で描かれたのがたまたま微笑ましさだけで構成された日であった、という感じ。一番端的なのは、忍者としてハードな生い立ちを語った場面で、 “…作り話であろ?” “………” と1コマだけ差し込まれる。この一瞬だけ空気がぴりつくというか、姫がマジになりかける緊張感。これがあるからこそ、微笑ましい日常を遅れている今のありがたさ、尊さが増す。
 もちろんがっつりバトルする展開も見たいし、やったらやったらどうせ面白いんでしょう? という感じなんだけど、それを中途半端にやらず、全カットすることで読者の想像の余地にする。『大東京鬼嫁伝』がラブコメとバトルと行き来するような内容で、あれはあれで大好物なんですが、このショート読切ならではの思い切りのいい方法論も良い。良いというか、高レベルでやってるからこそ初めてオモシロとして成立するのではないか。
 ということで終わり。めちゃくちゃ良かった。ファンとしての驚きもありつつ、普通にめちゃくちゃ面白い。ショートなのにキャラへの思い入れがすごい。これは優勝間違いなしですわ、と思ったけどショートフロンティアの括りで優勝を考えると困ったことにあの子が……悩ましい。てか、悩む段階まで来るとは思わなかったよ。

『アイテルシー』

 半分こギャグが繰り返されると思ったら、左近が気に入られる理由になってるので笑った。ギャグで話が進んだw 「左近」だけでピンとくるのが本物の変態っぽくて笑うわ。
 今週のほむらちゃん。左近ラブでのみ動いてるのかと思いきや、右近の影響が、というのは良かった。めちゃくちゃ良かった。単なるラブコメではなくなったことで彼女のキャラクターの厚みが一気に増した。
 柱。韓国ドラマが主婦層に人気って認識はさすがに古いと思うよ。今のブームはちょっと違う層にも広がってるでしょ。

『灼熱のニライカナイ

 教団時代のチャコが可愛い。予想外の破壊力でビビった。この世界には命をかけて戦う価値がある、という説得力。イルカと踊ってるのも可愛い。『マグちゃん』ファン的には破滅の舞を連想してしまう名シーンだ。
 急に超能力バトルめいた展開に傾くので驚く。田村作品でこういうのになるとは予想してなかったです。完全に領域展開……と分かりやすいので引き合いに出したけど、まぁ伝統的によくある奴。何だろうね、端的に何と表現したらいいのか。中国のアニメーション映画『羅小黒戦記』でもモロに同じの出てきたから驚きました。人気である。
 逆に、田村作品を色濃く感じたセリフがあって、 “昔話にひたってんじゃねえぇっっ!!” 。サメの文脈的に何もおかしなことはないんですが、漫画として読むとちょっとメタい印象もあるよね。巨大な手にみんなツッコミ入れ出す感じと似た印象がある。この感じ好きよ。

『クーロンズ・ボール・パレード』

 次は日車大器!! と顔なしで煽った次のページで顔出ししてるのはさすがにどうかと思うの。まぁ意外性という意味では機能してたけども。
 そんなスター選手を陰で支えてたキャプテンくんをスカウト。主要選手は取れないという前提通りですね。何の困難もなくスカウト成功したので驚いたんですが(椿はあんなに長かったのにw)、状況を考えれば納得しかない。まぁ、地味ながら優秀だったら他のスカウトの目にも留まるんじゃない? とか思わんでもないんですが、そこらへんの機微は高校野球詳しくないのでちょっと自信ないです。言うてもキャプテンだからね。
 そんな地味な実力者を、地味でトライアウト落ちた主人公が見つけて拾う、というドラマも熱い。
 あと、打点王というのがちょっとした伏線になってるのとか面白かったです。野球詳しくないので「打点王」が意味するものを何も考えずに読み進めていたw 打率とホームラン王と同じものみたいな印象でしかなかったので。個人の成績じゃないから「打点」を記録しても意味あるの? とか少し疑問だったりもするんだけど、まぁ何かいろいろあるのでしょう。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 第3回プレゼントページアワード。久保先生にありがたみを感じなくなってきた……(麻痺)。
 そんな久保コメント。コロナ禍でイラスト偏重だったこの1年を振り返るにあたって最優秀賞のイラストを高評価してて面白い。面白いというか、すごい。てか、この作者めちゃくちゃ嬉しいだろ。なんでプレゼントページにイラスト描いたら久保先生にほめられることになるんだよw
 ウクライナではなくスリランカ、のくだりは私も当時笑った気がする。あれはずるいわ。面白いに決まってる。

次号予告

 ブログ書くのが遅れまくってたから次号予告について感想書いてなかったんだぜ。久々に書きます。まぁ、特に書くことないんだけどね。とりあえず『マグちゃん』センターカラーが嬉しい。あと、「かわいいモノ」として本作が紹介されてたのも嬉しい。可愛いは美少女だけじゃないからな。いや、流々ちゃんも可愛いですよ。
 あと、予告ページには書いてないんだけど、ショートフロンティアが続くのかどうかが気になる。『ヤシャツバキ』の最終ページに予告はなかったんだよね。けど、以前にも予告が載ってないことあった気がするので、期待はできる……といいな。
 ただ、ショートフロンティアとは別枠でショート読切があるらしいので、これはヤバいか? いや、これは『ブラクロ』枠か。にしては豪華な人きたけど。

目次

TSUTAYAの宅配レンタルで死ぬほど映画を見まくりたいと思っています。
(『大東京鬼嫁伝』)

 サブスクじゃない点にこだわりを感じる。

食戟のソーマの附田先生がラジオでロボコをオススメして下さった!感謝感激!
(『僕とロボコ』)

 附田先生ラジオ出てたのか。そっちが気になる。

ゴジラVSコングに備えて必死で情報断ちしてましたがいよいよだぁぁ!!
(『あやかしトライアングル』)

 矢吹先生……公開延期になったの知らないのか……。本来だったらちょうどこのタイミングですよね。悲しい。

愛読者アンケート

 読切についてと、好きな声優。男性女性それぞれ選択肢が豊富に用意されてるでござる。声優詳しくないのでいまいちピンとこない。『おはスタ』世代だから山ちゃんだな、とかそういうレベル。
 好きなアニメ作品とかゲームのクレジットでこの名前は見覚えがある、という人はちらほらいることはいる。いるが、それは好きな声優なのか、という話である。キャラクターとの区別がついてない。まぁいろんな作品観てると「あっこの声は」とかなって、その蓄積で好きな声優が形成されていくのでしょうね。
 あと、どうでもいいけど、女性声優で「○澤×菜」がややこしい、ということは最近知った。片方はSF作家クラブの会長やってる奴。たぶん声優ファンの中では古来よる伝わるあるあるネタなんだと思う。

総括

 終わり。火曜深夜は無理だったけど、1日遅れ。勘弁してくれ。

 今週のベスト作品。『ヤシャツバキ』です。圧倒的でござんした。
 次点はもう1つの読切と、『ロボコ』。

 今週のベストコマ。『ロボコ』の1ページ目、千夏先輩のコマ。『ロボコ』の中に千夏先輩出てくるのが面白すぎました。

 最後に今週のベストキャラ。千夏先輩というのも考えたけど、さすがにやめ。

  • ナミ 『ONE PIECE
    • 完全に予想外な展開だったのもあり、あのラストにはマジでぶちあがりました。来週休載の週じゃなくて良かったぜ。

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