北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年24号の感想

週刊少年ジャンプ(24) 2021年 5/31 号 [雑誌]

週刊少年ジャンプ(24) 2021年 5/31 号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/05/17
  • メディア: 雑誌

 ブログ更新前に一通り読み返すのがマジでだるい。毎週だるい。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in エスパニョール。『若君』である。飛んだ。『SAKAMOTO』飛ばし。ただ、最近は順番がややグチャグチャになってるので、来週『SAKAMOTO』が来る可能性もまだあるかも。『灼熱』は期待薄そう。あるとしても次の周。来週は『SAKAMOTO』か『ONE PIECE』の2択なんじゃないかな。

表紙

 『dr.stone』。あと小さく読切の『愛と力』も載ってる。計画的代原だと思うんだけど、ここにも顔出すの珍しいですね。てか、それだったらショートフロンティアも入れてやれよ、とか思わんでもない。

読者プレゼント

 モンハン。しかも明確に『モンハンライズ』。「ライズ」ダジャレあるし、イラストに犬いるし、「ヌシ」「操ジュウ」「壁走り」まである。いつもはもっとテーマに対して雑な掘り下げをしてるイメージなのに。理解が深い。

巻頭カラー『Dr.STONE

 すげぇ今更なんだけど、非石化組に教えた文字って日本語なのね。ぶっちゃけ言語のことは深く考えてなかったけど、今回文字を読むのが重要になったので急に気になった。
 子供のやることだからと大抵のことは微笑ましく見守っていられるし、そういう計算なのも分かるんだけど、 “破ってナイナイ” のくだりは少しイラッときてしまった。疲れてるのだろうかw いや、普通に見なきゃいいじゃんって話じゃないですか。何やねんナイナイって。
 ウンコだったら何でもokなんですね。普通に興味あるんだけど、千空いないとそういう補足説明みたいなのも期待できないのか。極端な話、「○○のウンコはNG」だったとしても、今回の話だったら「何度もトライ&エラーして成功にこぎ着けました」で成立してしまう。
 んで、成功。事前に1年と言っておきながら、実際は7年。なのでビジュアル的な変化が大きくてその驚きが長い年月を感じさせてくれる。スイカが声変わりして神木隆之介になるパターンの奴だ(何かのネタバレ)。
 ウンコとか、成長とかそういう飛び道具的な驚きに満ちてて面白いんだけど、よく考えるとスイカが独りで7年も生きていけるものですかねぇ……とか思わんでもない。最初に石化解除したときの千空はそこらへんでもいろいろ苦労したわけじゃないですか。それをスイカはまるっとすっ飛ばしてると思う。

『呪術廻戦』

 禪院家地獄巡り。真希さんが実際に対面することで今まで以上に地獄になってて笑う。乾いた笑い。
 直哉が女性蔑視のドクズなのはお馴染みだったけど、禪院家の女性もそのクズ思考を内面化してた、というのがまた地獄。
 んで、敗北の象徴としてメガネが落ちる。ツルの部分が切断されるってのは少し意外だったかも。レンズ粉々とか、中央から真っ二つとかが想像しやすいので。
 ショッキングな話ではあるんだけど、ぶっちゃけ渋谷で充分「うわっマジ死んだの?」という驚きは味わい続けたので、また死で物語への興味をブーストさせるのは少しアレ……な気がするので、生き延びるといいですね。せっかく両レンズくっついたままだし。

ONE PIECE

 ナミは普通に気合いを見せただけでした。ちょっと肩透かし。いや、実力的に言ったらそりゃ納得なんだけど、それだったら普通に最初からマムがやりゃいいって話じゃないですか。まぁ、それでもマムはクソ野郎だったと話が続くのは面白かったけど(ただゼウスの可哀想可愛いアピールは少しくどかった)。
 ヘラが食べるくだりも、ソルソルの実の能力だったらそんな面倒な行程挟まなくてもいいのに……と思ったら実際に能力使ってチカラを吸い取るし、結局普通にゼウス食われるし、なんか無駄な攻防というか寄り道的なものが多い気がする。まぁ、無駄なことで時間をかけたからこそキッドが間に合った、みたいな解釈もできるのかもしれないけど、なんか話として裏の裏は結局表みたいな展開がやたら連続した印象。
 ナミと同じでルフィの敗北も「まぁそりゃ実力を考えたらそうなんだろうけどさぁ」という感じで、エモい盛り上げをしておきながら、という肩透かしを感じてしまうかな。いや、ルフィのくだりが単独で存在していたら普通に絶望してたかもしれないけど、やっぱナミのくだりがアレだったので引きずってる。

僕のヒーローアカデミア

 デク、割とワクワクしながら迎撃するのかと思ったら、普通にヤバい相手だったらしい。何なら天敵といってもいいレベル。ただ、デクの4th(スパイダーセンス)も狙撃能力からしたら天敵みたいなものなので、まだヒーローとしては未熟なデクでも善戦できるかも……というワクワクに説得力を感じる。
 ラスト、「空中移動砲台爆誕」が饒舌に語りすぎなので笑った。

『マッシュル-MASHLE-』

 時間魔法の前ではマッシュも無力。たしかにここまでスケールがでかいことされるとマッシュの筋肉大喜利ではどうしようもない気がする。ただ、このまま、どうしようもないまま終わるわけにもいかないよね。どうするんだろうか。
 んで、校長のガンダルフ(違うよ)が出陣。 “ウォールバーグが出てくることは想定済みだ…” の彼は一体何を想定していたのだろうか。バトル漫画的に定番の展開ではあるんだけど、「想定済み」とまで言われちゃうと腑に落ちないものがあるw
 あと、世界最強クラスの人の魔法が時間魔法ってのはちょっと『ブラクロ』と被る。魔法の名前も似てる……ってこれは語源が同じだから仕方ないか。

センターカラー『高校生家族』

 普通にスポ根漫画してて笑った。今までもその気はあったけど、今回いよいよ完全にそっち側に行ってしまった感。主軸はスポ根で、ちょくちょく合間にギャグが挟まれるという形式。そのギャグが物語とは特に関わらないというのも重要ですね。ツッコミらしいツッコミが入らないところも多くて、「ギャグもあるスポ根じゃん」感に繋がってるのだと思います。ラップをする映画評論家みたいな逆転現象。

『アオのハコ』

 疑似ダブルデートかと思ったら違った。この手のストーキング展開ってラブコメだと定番だと思ってたので絶対そうだと思っちゃった。
 先週の感想の繰り返しになるけど、やっぱ千夏先輩だけ表情から感情が読み取れない。この機微の表現はマジ見事だと思うし、千夏先輩を常に他者として描き、何考えてるか分からない存在だからこそ彼女のことばかり考えてしまう、という恋心表現にしたのは何なら本作の本質のような気もする。最近のジャンプのラブコメ作品、恋愛作品って女性視点の描写が重視される傾向にあると思うので、そういう意味でも新鮮。『ゆらぎ荘』も『勉強』もそうでしょ。ハーレムだと思ったらいつの間にか王子様争奪戦になってた、という例の奴。だから本作は赤面大映し顔芸みたいな常套手段が向かないのだと思う。あくまでも「先輩が笑ってくれた」という角度の話になるので。
 んで、呼び方。「ちー」は笑った。同じクラス、隣の席、同じ委員会で交流があるならニックネームが存在しても不思議じゃないし、そのことに主人公が暴走的に勘違いするんだと「バカかよ」とか思っちゃうんだけど、この「ちー」呼びは生理的嫌悪感というか、頭では分かっていてもムカムカするというか、気持ち悪いw このワードセンスやばいな。「ちー」の響きが話としての面白さを超越してしまっている。
 んで、千夏先輩今週の決めショットをぶちかましてエンド。膝を強調するポーズだったな……とか考えてしまう呪い(露出はしてないけど)。ロボコにインセプションされてしまったw

『逃げ上手の若君』

 若は1ページ目から赤面顔芸やるんですよね。そういうことなんですよ。
 頼重、未来が見えなくなる。ぶっちゃけご都合の塊みたいな設定でかなり萎えるんだけど、今まで未来見えてた人が見えなくなると極度の心配性になる、というのは面白かった。予知能力者あるあるなんだろうな、と納得してしまう。可愛い子には旅をさせよとか、崖から子ライオンを落とすとかそういう教育方針は未来予知ありきのもので、若の重要性を考えたらそんなことできるわけないだろ、という納得しかない話。

『アメノフル』

 思い切りバトルできるように移動。いかにもバトル漫画的な都合なんだけど、本作はそこに被災地、被災者という要素が加わってくるので面白い。ものすごい当たり前な視点かもしれないけど、意外と少ないよね。それでいて、311を経験した世代からしたら、直接の被災はしてなくてもものすごく生々しく想像できる話だと思うので、荒唐無稽なバトル展開だし、ギャグなんだけど、同時に説得力もハンパない場面。東京ですごいことがあった、という設定が単なる背景ではなく、キャラクターの血となって通ってるのが感じられる。単純に都市部でバトルするってだけで絵面としてワクワクしちゃうんですが、それだけじゃないオモシロが生まれてる。
 仁王立ちで移動。セーラー服なのも相まって笑った。ぶっちゃけやってることは『ヒロアカ』の轟くんと同じなので、能力の使い方としてはまったく新鮮ではないんですが、まんまと笑ってしまった。
 ただ、せっかく「アイスクリームで戦う」という本作の特色がただの氷雪系能力者に収まってしまった感じがあって、そこは少し残念でもあるかな。まぁ、これはどのお菓子にも当てはまる話かもしれないんですが。お菓子使いという設定は突飛だけど、意外と普通の能力バトル漫画っぽいよね。今のところ。

『ウィッチウォッチ』

 魔法で人助け。ただのスケット団やないかボケェ!!! いや、別にボケではないか。全然いいんだけど、魔女になってまでスケット団するとは思わなかった。それも1話限りの話ではなく、長期的に目標設定としてスケット団を持ってくるとは。モッスンとニメコ。
 高校生にもなって学校でウンコ恥ずかしいってさすがにないんじゃない? とか思ったけど、オチがそういう話だったでござる。ちなみに私は汚いトイレでウンコするの苦手だから学校ではなるべくウンコしたくなかったタイプ。別館は新しい建物でトイレがキレイだからそこでなら……とウンコしたら授業に遅刻、とかあったなぁ。
 野生すぎる先生のくだりは取って付けたような困難で全然面白くなかったんだけど、 “エイリアン…!” で笑ってしまった。悔しい……。

センターカラー『No one knows』片岡誉晴

 ヨシハルと読むらしい。すごい名前だ。てか、そんな作者の好きな漫画の中に『アイアンナイト』!! マジかよ。同士じゃん。『無智との遭遇』も良かったよねぇ。もう肩入れの気持ちしかないw 好きな漫画の欄でここまでぶちあがったのは『サイボーグクロちゃん』以来だわ。
 ちなみに、今「アイアンナイト」でツイート検索するとめざとく見つけて興奮してる『アイアンナイト』ファンの声が見つかるのでオススメです。残党がたくさんいて嬉しい。
 本編。テーマが「分からない」だし、冒頭の柱には「智の海へ」って言葉出てくるし、驚くほどに『無智との遭遇』とニアピンしてる気がする。いや、全然違う話なんだけどさ、宇宙で無知の話が被るかね、という驚き。
 結論的な話になるけど、面白かった。めちゃくちゃ面白かった。あんまジャンプで読むタイプのオモシロじゃないから余計に目立つのもあるけど、それこそ年間ベスト読切決めるときに候補になるレベル。まぁ今年はどうせ『無智との遭遇』がベストだけどな(しつこい)。
 正直、若干の分かりにくさはある。スタートダッシュしていきなり心を掴むタイプではない。複数の時間軸が交差するだけでも珍しいのに、語り手となるキャラも複数。さらにはその時間軸の進む速度に違いがある、というSF設定。ここよ。ここが滅法面白い。ややこしさはあるんだけど、そのややこしさにワクワクしてしまった。なので厳密に言うと私の初読時のテンションは割とスタートダッシュ型に近い。これ絶対面白い奴だろ? と期待して読んでったら期待に応えてくれたタイプ。ややこしくて分かりにくいんだけど、これは漫画ですのでページをめくる速度を落としてじっくり読み込んでいけばよい。ぶっちゃけ数値とか興味が湧かないことが多いので「はいはい読んだ読んだ(読んでない)」となりがちなんだけど、時間の設定が出た時点で「この時間軸は今何年?」って確認したくなる。漫画、というか書籍メディアはこういう強みがあると思う。退屈そうな学園風景と、退屈そうな宇宙船の風景という絵的なコントラストもあるので絵的な魅力もありますね。アクションとかそういう派手さはないし、常に感情を爆発させるような顔芸チックな語り口ではないんだけど、だからこそこっちから前のめりになっちゃう魅力。
 2つの時間軸が交互に描かれ、無関係な話が語られてるようで実は……という味わいも良い。左手を「ぐっぱ」する仕草も癖のようでもありルーティンのようでもありそれほど違和感はなかったけど(少しわざとらしいけど)、その出発点となる出来事が過去で語られる。ここでの教科書を燃やすという行為と、手が燃えようと教科書を取り戻そうとする行為が、「分からないは怖い」という本作のテーマを象徴的に描いているのも見事ですね。その後、未来(てか現在)で左手で掴み取るものが氷という対比も面白い。
 んで、ラスト。謎解き的な結末とエモーションが爆発するようなオチがつくんだけど、爆発することが確定した時点で作品が終わり、その感動的な場面を直接描かないというのも非常にオシャレだったと思います。読切ならではのギミックを感じる。てか、ちょっとショートフロンティアっぽい話でもあったかな。ゆったりじっくり語るのが魅力なのでショートとは相性悪いんだけど。
 終わり。めちゃくちゃ面白かったんだけど、本作の煽り文句「宇宙を越えて絆が結ぶ」って変じゃない? 宇宙を越えたら別宇宙に行かないとダメな気がする。「海を越えて」って言ったら海の向こう側だし(海上ではない)、「国を越えて」だったら別の国じゃないですか。どうしても越えたいんだったら「時間を越えて」なんじゃないかしら。マジどうでもいい話なんですけどw

『僕とロボコ』

 宇宙ネタぶつけてきてるので笑った。宮別さんの膝描写がどうなってるかまた読み返してしまったじゃないか。大したことなかったです。千夏先輩を見習え。
 宇宙人だからなのか『ドラゴンボール』ネタが多め。ぶっちゃけ本作にはヤムチャネタみたいなクソベタなことしてほしくなかった気もするけど、まぁ他にもたくさんあるからいいか。ただ、贅沢を言うなら銃で撃たれても平気という場面で初期『ドラゴンボール』の再現をしてほしかった気もする。あの頃の牧歌的な『ドラゴンボール』、良いよね。

センターカラー『破壊神マグちゃん』

 カラー扉かわええ。何かしらの形でグッズ化できそうな予感。あと、配置的にチヌ、主役じゃね?
 本編。泣いた。ついこないだ書いた気がするけど、流々ちゃんのドラマに弱いのである。最初はカラー回らしく自己紹介的な内容になるのかと思ったら、どんどん話がシリアスになっていき、流々ちゃんの心の闇みたいな部分に迫っていき、そっからの不意打ちで泣く。いや、正直言うと、冷静になって考えるとあのオチ、あのツイストはぶっちゃけ定番というか、めっちゃ見たことある奴なんだけど、そこは本作の丁寧な仕事ぶりですよ。オチがベタだろうと面白いもんは面白い。てか、オチのギミック自体にはそれほど重要ではない。オチへの話運びが面白いから面白いのである。『猿の惑星』はオチ以外も面白いのである。
 特に良かったのが、序盤で錬に “あんで中3で育児の悩み抱えてんだよ…” と言わせた点。ぶっちゃけ、それ以前の場面を読んだときは「倦怠夫婦かな?」とか感想に書こうと思ってたんだけど、ここでさりげなく「流々=親」と誘導される。そして、終盤になると今度は流々ちゃんが子供の立場に戻ってしまう、というわけですね。「彼女もまだ子供なんだよ!」と当たり前だけど忘れがちな事実を突きつけられる。漫画だと親のいない家庭を単なる便利設定くらいにしか扱わないこと多いからねw
 さらに言うと、マグちゃんの優しさ、マグちゃんの存在が決して単なる親代わりではない、というバランスも良かった。のび太ドラえもんではない。プロフ帳があるように、あくまでも2人は友達。いや、のびドラも友達ですけどね。ドラえもんは一応保護者的な立場でもあるから……(言い訳するくらいなら書くな)。
 放課後、マグちゃんを尾行したはずなのに、 “何か楽しいコトあった” と聞くくだりとかヤバい。知ってることを問いつめればいいのに、それを言えないところに流々ちゃんの弱さがあるというか、流々ちゃんのメンタルがいよいよヤバいことになってると痛感させられる。泣く。
 実際の誕生日はまだまだ先だったというくだりが特に意味なかった気もするんだけど、誕生日本番にはまた別のイベントを考えてるってことなんですかね。今後は人間キャラたちがどう祝ってくれるのか、みたいなそういう。
 最近本作に限らず感じることだけど、子供をちゃんと子供として描くことって大事ですね。少年漫画だと忘れがちな視点。まぁ、もちろん作品によっては忘れた方が適切なこともあるんだけど。

『夜桜さんちの大作戦』

 大ピンチからの覚醒。指輪を介したロジックは面白かった。ここでちゃんと六美が出てくるのが良い。まぁ、普段から心拍感じてるの!? とかちょっと衝撃的ではあったんですが。
 からの「夜明け」も良かった。夜桜家に婿入りした太陽ということで。この日のために暖めてきました感がすごい。
 覚醒からの全員集合(全員ではない)、かと思ったら次号表紙&巻頭なので盛り上がりがすごい。見事なペース配分だ。ここまで鮮やかに決まるのは珍しいのではないか。

『SAKAMOTO DAYS』

 所長。科学者ならではの強キャラ感が楽しみだったんだけど、普通にシンとの身の上話だったでござる。おじショタの交流は感動的だったし、モンタージュする場面とかホント良かった。良かったんだけど、一番大事なシンが超能力を得るくだりがヤッツケ感すごいので笑った。これはあまり良くない意味で。ルフィがゴムゴムの実を食べちゃう場面かよ。いや、あれは面白かった。

『愛と力』轍平

 たぶん『ブラクロ』の穴埋め。なんだけど、轍先生とかなかなか豪華である。メデューサの奴、好きでした。メガネで良いよな(そこかよ)。
 それも含め、本誌にも載ってたと思う。出張かオリジナルかは覚えてないけど、複数回くらいあったような。んで、今はグランドジャンプで連載中。
 本編。2ページ目が最高。ほのぼのとした日常が急に破壊されたと思ったら、ヒロインがノリノリで応戦するので笑ってしまった。そして、バトルに向けたルーティンとして髪を結うんですが、このヘアゴムがオチに関わる重要アイテムであった、という伏線も見事。ショート読切ならではの無駄のない美しさを感じる。おまじないという理屈としても面白いし、髪がほどけることで感情の爆発を表現してるのも良い。そして、しがらみから解放されるメタファーでもあったのかな。
 細かいことを言うと、本作の困難である武術家たちの目的がヒロインをモノ扱いしてるようで何気に胸糞感がすごい。そんな胸糞に対するアンサーがあのオチだったのは正しいようで、少し的が外れてる気もする。そもそも彼女の意志が尊重されてない点が問題なのであって、その社会のルールが間違ってるのに、そのルールに則った上での解決ってのはルールを肯定するようで少し疑問が残る。まぁ、弱いはずの主人公が愛の力で勝利して、彼女を守る、って理屈が通る部分は素直におもしろかったです。
 まぁ、おまじないのヘアゴムが消失したので、彼女が最強でなくなる、もう寺を継がなくていい、みたいな解釈もできなくはないのかな。たぶん違うけど。
 あと、もう一つ。 “人質だ” “反則負けです” のくだりが面白かったんだけど、面白かっただけに終盤のバーガーショップでの “じゃまするな” がスルーされたのが気になる。武術家じゃない人に暴力を振るったら普通にアウトじゃない? 普通の漫画だったら気にならないけど、 “反則負けです” というマジレス的でもあり、優しい世界でもあるネタが面白かったから「これも反則負けでしょ?」ってなった。
 終わり。とても良かった。短い読切らしいワンロジックで勝負!! という分かりやすさが良い。読切がどれも面白いのは感想書くカロリーが高くて大変なんだけど、嬉しい悲鳴である。そしてまだもう1つ残ってる。

『灼熱のニライカナイ

 パパ上渾身の技で神室の左腕を切断。2人のドラマを考えると左腕というのが良いですね。因果を感じる。救おうとしたサメが伸ばしたのも左手でこれも何かを感じるんだけど、まぁここは偶然という可能性もあるのかしらん。2つに1つだからね。
 てか、イルカ化の原因がチャコ関係ないのは意外でした。いや、他のイルカの進化を止めてたからイルカになっちゃった、と考えるなら間接的に関係あるけど。
 オルフェ誕生の秘密は感動的だったけど、チャコの認識としてはある日突然ぱーぱーるが消えたって感じなのかしら。南風原だけどオルフェだよ、的な説明をあの後したのかしら。南風原とチャコの交流がそれだけで感動的だったので、あのまま終わったのだとしたら少し寂しい。ただ、あのキレイなまま終わった方が救いがあるとも言えるのかも。

『あやかしトライアングル』

 イヤな思いをすることで滝行のような効果が得られる。ので、女性用パンツを穿く。分かったような分からないようなw てか、このロジックを使えば大抵のことは押しつけられる気もしますね。
 スカートの下をパンツにすることで今まで平気だった日常生活にも支障が出る。いやフンドシだったらよかったのかよ、という話ではあるんだけど、まぁこの心理は分かるし面白い。女体化してスカート生活を始めることのオモシロを感じる。
 スカートじゃないときもパンツのせいで下半身にチカラが入らない。これはレオがパンツに何か仕込んだな、と思ったら違った。わざわざレオが用意したパンツって説明があったから絶対あると思ったわ。ただの心理的作用だったとは。
 そんなレオが最終試験っぽくフンドシの誘惑。すずの誤解も含め面白かったんですが、このレオが「もう無理しなくていいんですよ」と言ってくる感じ、『あしたのジョー』だよね。減量に苦しむ力石に白湯を差し出す白木お嬢様のくだり。
 てか、レオが差し出した最新型フンドシの機能が「それ意味あんの?」という感じで妙に面白かった。いや、雑念というか話のノイズだった可能性もある。

『Jean the Just』高畑悠

 ショートフロンティア。高畑先生、ついこないだも載ってましたね。そのときも殺し屋。どんだけ好きなんだって話でもあるし、何なら同じ世界設定という可能性もあるかも。いや、だいぶ雰囲気違うからないか。
 標的の腕時計の3つの針が12時をさした瞬間に腕時計越しに狙撃して殺す。報酬はその腕時計のみ。ものすごいギミックの利いた設定で面白いけど、そもそも腕時計越しの狙撃で殺せる角度ってかなり限られるから無理だよ! という話ではある。かなり苦しいんだけど、ぶっちゃけ全然気にならない。というのも、本作かなりビジュアル的に凝ってて、その美意識こそが本作最大の魅力だと思う。この決め絵ドヤァ! こいつも食らいやがれ! と毎ページかましてくるような作品。いや、1ページに複数あるのもザラ。かなり実験的というか、ショート読切じゃなかったら胃もたれしてしまいそうなレベル。
 んで、謎解きというかどんでん返し的なオチがついて終わり……からのエピローグがつくので笑った。この気をてらってくる感じ、良いっすね。ちゃんと腕時計越しに殺せるポーズになってて、そのポーズが彼が死ぬ理由を象徴していて素晴らしいw 試験合格して良かったね的な情報も面白かったんですが、その横に例の時計が置いてあるので少しややこしいというか、分かりにくい感じはしたかも。あの場合、ゴフトコフスキの時計がどういう扱いになるのかもよく分からんし。まぁ、些細なことです。面白かった。

『アンデッドアンラック』

 足の指で銃弾キャッチするのはさすがにやりすぎだと思った。もうほとんど超能力の領域に見える。なんかもっと技術とか経験によって超人(否定者)を圧倒する感じにしてほしかった。まぁ、銃は否定関係ないか。
 幻覚妹。正直こういうので泣かせるのはあまり好きではないんだけど、泣かせが目的ではなく、メイが復活の一手のアイディアを授けてくれる、という着地になったので良かった。要するに、死の淵に立って脳味噌フル回転させたシェンが自力でアイディアを思いつき、その閃きの瞬間を感動的にビジュアル化したに過ぎない、というようにも考えられる。ここでメイしか知らないことを喋ったりしたらいよいよオカルトなので興醒めなんですが、あくまでもシェンの中にいるメイという認識で成立すると思う。リトルホンダがミランに行けと言ったのと同じ話。
 んで、復活のアイディア。面白いは面白いんだけど、少し「それはさすがに無理だろw」と思わんでもない。まぁ、これは次回以降何かしらロジックが説明もしくは追加される可能性があるので今気にしても仕方ないか。否定の能力で殺してしまったシェンが今度は否定の能力で……というドラマ自体は感動的だと思います。せっかく高所にいるんだから突き落としても面白そう。

『クーロンズ・ボール・パレード』

 左打のホームラン王。ただし、ホームラン以外は三振。岩鬼的な極端なキャラクターは面白いんだけど、その後ろに気弱な子がいて……という2人セットの話は前回やったから正直イマイチだと思う。まぁ、BL感出してきたのとか面白いかな。意外とこういうのなかったですね。ネガティブギャグをやってから、入部したら椿の洗礼をくらって「やっぱり」となるのも笑った。意外と偏見通りだったなw
 んで、白凰のエース。天才だけど、こいつはこいつでデータ狂だったというのも面白い。エリートならではの理由でデータ狂。
 ものすごい漫画チックなハッタリで悪役っぽく描いてるけど、現状特別な悪行は何もしてないんですよね。ライバルが復活しようとしてるぞ、要注目やで、くらいのことしか言ってない。妨害しろとかそういう話ではないですからね。今のところ。別に悪い人ではないw 妨害しちゃダメでしょ、みたいな作家の生真面目な一面が出てるのかもしれない。だとしたら面白いですね。

『アイテルシー』

 怪盗が本格始動。すっかりほむらちゃんが視点役になってたでござる。左近どうした。まぁ、今後左近が活躍することを考えると今回ただ振り回される役はさせられなかったのかもしれませんね。
 そんな怪盗のトリック。ボイスレコーダーの性能にもよるかもしれないけど、録音は録音の音がするから違和感は生じると思う。まぁ、音声データの質を上げれば多少は解消される問題なのかも。だとするとボイスレコーダーじゃなくてスピーカーの方が適切なんだけど、まぁボイスレコーダーの方がパッと見で何やったか分かりやすいか。
 今回が初ではないけど、サイトで募った使い捨ての協力者を武器に活躍する怪盗、ってのはかなり新鮮で好き。今っぽいとも思うし、美にこだわるキャラクターとも合致してて良い。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 4月から5月はイタドリの旬ということで、イタドリの実食。4月から5月って範囲広すぎである。
 ちなみに、イタドリとはユウジくんではなく、野草のイタドリ。漢字で書くと虎杖らしい。タケノコっぽい感じの野草。
 紙ジャンプだと写真がアレで何が何だかなんですが、「野草 イタドリ」でググると普通にたくさんヒットするのでそれほど突飛なものではないらしい。うまいのだろう。私は草感の強い食べ物苦手なので少し自信ないが。ただ、イタドリの煮浸しはなかなか興味ある。
 あと、今のジャンプに『食戟』『トリコ』がいないことが少し寂しいと感じた企画でした。

次号予告

 表紙巻頭は『夜桜さんち』。おまけに大増ページ。本編の盛り上がりも完璧なのでアンケート1位を狙いに来た感がすごい。『ONE PIECE』も休載の号なので絶好のタイミングである。ひつじに夢見させてやんだよ!!的なこと気にするファンはハガキ送ったりするといいんじゃないでしょうか。
 あ、てか気づいてなかったけど、よく見るとショートフロンティアの予告もあるんですね。なんてこったい作家とタイトルも分かってた。先週まで見逃してたわ。

目次

弾道は曲げられると映画ウォンテッドから教わりました。ありがとうアンジー
(『僕のヒーローアカデミア』)

 『ウォンテッド』だと腕の振りとか手首のスナップで曲げてたと思う。弾も特殊なんだっけ?

何もないアスファルト上でよろけて転んで肘を負傷。限界が近づいている。
(『ウィッチウォッチ』)

 めちゃくちゃ悲しい。転んで肘ってのが痛々しい。

愛読者アンケート

 長尺の読切についてと、連載作についての質問が9つ。質問に対して3つの作品を挙げる。考えるの大変な奴だ。全部は書かないです。そういうノルマ的に書くのはやめたんだ。
 毎週楽しみにしてる作品だけ書いておくと、『マグちゃん』『灼熱』『呪術』。ショートフロンティアも入れたい。

総括

 終わり。火曜深夜更新に戻したいのですが、なかなか難しい。正直水曜までもつれ込むと飽きが生じてくるので良くない。

 今週のベスト作品。『no one knows』。
 次点は『愛と力』『jean the just』、そして『マグちゃん』。

 ベストコマ。『jean the just』のどれかだな(どれだよ)。むむむ、じゃあ “7日後には私の物だ” 。オシャレ場面転換好き。

 最後に今週のベストキャラ。こちら。

  • 宮薙流々 『破壊神マグちゃん』
    • ぶっちゃけベスト作品は『マグちゃん』でもよかった。バランス取って次点に下げた。

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