北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年14号の感想

 こんなブログ読まなくていいから『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』を早く観てくれ。私は観てから書いた。

表紙

 『SAKAMOTO』。アニメ放送中ということもあり、非常にベーシック。てか、坂本が普通に太ってるのが珍しいと言えるかもしれない。どんな主人公だよ。

読者プレゼント

 ポーカー。ダジャレではないが、役にちなんだグッズ紹介がなかなか凝ってる。凝ってるというか、そのために「アマギフ&クオカード」になってるのは笑った。どっちかでいいのよ。

巻頭カラー『SAKAMOTO DAYS』203話

 第2回人気キャラ投票の結果。驚くほどに上位に動きがない。いや順位は変わってるが、メンツが変わらず細々と順位が入れ替わってる感じ。1位と2位、3位と4位がキレイに入れ替わってるのにはちょっと笑った。お馴染みすぎる。
 先週気になってた「これで南雲優勝したらもう一生南雲だろ」の件ですが、シンが今回もかなり人気で1位に肉薄してたので、第3回があったとしたらまたこの2人で争うことになりそう。とはいえ、メンツの変わらなさはすごいですね。そこまで旧キャラで話を回してるイメージもなかったけど。まぁ、逆に言えば人気キャラは大体アニメ1期で出揃いそうだからそっち方面で考えると良かったと言えるのかもしれませんね。思ってたよりも変な結果になってて面白かったです。歴史的にも結構なレベルで不人気主人公と言える坂本ですが、さすがにこれ以上落ちてトップテン圏外というのはない……気がする。なったらなったで面白いので少し期待もしちゃうけど。

 本編。回想終了。切れ味良すぎる回想パートの終わり方でブチ上がりました。思えば、回想始まったのも巻頭回だったと思うので、それがまたも巻頭回で終わるというのは結構贅沢な話ですね。正直本作の泣かせ路線、そこまで跳ねてない印象だったけど、今回のはめちゃくちゃ良かった。今までの回想で語られたことすべてが、シンの天弓殺しを止めようとした説得の内容そのもの、と分かる良い演出。
 んで、平助。あまりに可哀想な劣勢を強いられる平助。善戦していた模様。まぁ、坂本の説得が実は時間にすると一瞬だったという可能性もあるので、それなら多少は納得なのかな。トーレスもいきなりフルスロットルって感じじゃなかったろうし。
 合流しての平助が活躍。肩越しショットかっこいいぜ。『マッドマックス 怒りのデスロード』みたいだ。立ってるから少し違うというか、平助の場合は意味あるのか分からないけど。

『アオのハコ』186話

 朝練の話。ものすごく基本的なことを今更やってるので最終章でも始まるのかと思った。特にそんな巨大な区切りって感じではなかったです。
 それぞれの後輩を見てかつての自分、そして来年度のことに思いを馳せる。学生時代にこういう上下の人間関係が激薄だったのでこういうエモは想像でしか分からないぜ。そもそも部活が……。
 女バスの後輩。朝練がきっかけと見抜く。名推理である。特に隠し事でもないのでそのまま話を聞くんですが、本作の基本設定の部分にいちいち “めちゃくちゃ素敵ですね!!” とリアクションするので微笑ましい。そしてちょっとメタい。三浦先生どんな気持ちでこの子のこと描いてんだ。
 どんな体育館で大喜に惹かれた理由を名推理によって引き出され、千夏パイセンが自分でも気づいていなかった心理に到達する。そして、その出発点(体育館で独り)を来年度と重ね合わせる。めちゃくちゃ良い話。話の流れ的に体育館に大喜が独りじゃなかったら恋が始まっちゃう(後輩から)と思うんですが、その場合大喜パイセンが散々思わせぶりな素振りをした果てに「もう彼女いるんで」とか言って後輩の子の心をグチャグチャにしそう。まぁ、その手の失恋後輩の話はもうやったか。とはいえ、大喜は今後もモテそう。特に彼女持ちだが、彼女が校内にいない、そして部活で大活躍と考えるとひたすらモテそうなイメージ。部長のメガネもモテそうだが、彼は失恋でグチャグチャになったまま卒業を迎えてくれると嬉しい。
 んで、拉致。急にしょうもない話になるので笑った。温度差。思いつきやすいのはさっきの後輩、もしくは以前に大喜を監禁した人だろうか。あとは普通に仲良い人が
カップルイジリみたいな感じでサプライズを仕掛けたか。

ONE PIECE』1141話

 エルバフの弱点は火と雷らしい。ものすごいフラグみたいな表現するので面白い。エルバフが全焼したら既存の木材アダムの価値が跳ね上がるのでサニー号が海賊王にふさわしい評価を得るかもしれない。さすがに全焼は悲劇すぎるのでやめてほしいけど。
 ロキのところに戻ってきたルフィ、とゾロ。2人のやりとりが楽しい。意外とこういう少人数で初期メンがやりとりする場面少なかったんですかね。エルバフ来てから一番楽しいのこういうところだわ。

センターカラー『しのびごと』23話

 分断されたヨダカ。ピンチだが、オペさんから分断時の指示は事前に受けていた。オペさんが優しくて泣ける。その指令もめちゃくちゃヨダカ用に設計されてるというか、戦闘力以外はポンコツのヨダカが変なこと考えて実力を発揮できないことを避けようとしてるのが分かる。オペさんの愛……。
 スカジャンメガネ、普通に弱そう。というギャグは普通に笑ったのですが、後半にやっぱり強そうだったのでかなり謎ではある。作戦的に戦わずして殺す(仲間に誘う)と思ってたので不意打ちは普通に決まった、という感じだろうか。まぁ、交渉するんだったら一発モロに食らっておく、というのは有効なのかもしれない。さすがに死ぬまでは行かないでしょ、と計算できるのならば。
 スカジャンメガネ、2発目を食らう。その際メガネが吹っ飛ぶので、「本気モードに入る演出としてメガネを捨てるのか」と納得しかけたんですが、しっかりメガネ拾ってかけ直すので嬉しい。一度諦めたメガネが戻ってくるとこんなにも嬉しいものなのですね。
 んで血界。視力系かと思ったけど、普通に全部が強くなるような感じもあるので、脳味噌がレベルアップする的なノリだろうか。基本ステータスが全上がりする的な。血液的なのでもいいよ。血色悪くなってたし(良くなった?)ギア2的な理屈もあるかも。

『魔男のイチ』24話

 さらわれるイチ。デスカラスちゃんがいるのでそんなうまく行くはずもないんですが、魔法による捕獲を、物理的な穴掘りで脱して再びイチと2人きり。なかなか良い展開。デスカラスちゃんの最強感がそれほど弱まらない。
 んで、動物殺しを通じてちょっとだけ2人が仲良くなる。あの状況から鹿を丸ごと一頭食べきるのも、残りを保存するのも無理だと思うので、「狩りだからオッケー!」の理屈はちょっと苦しい気がする。とはいえ、そんな「殺して食べる」というのがその後の「イチを殺してウロロを得る」話へとうっすらと繋がってるので面白い。めちゃくちゃ面白そうな話になったのでワクワクしてきました。本作の設定でこういうのもできるのか。新キャラ万々歳である。今までになかった話が一気に始まった。

『カグラバチ』70話

 ヘンテコ最速抜刀術。ハッタリ重視で詳細に説明してくれるの良いね。めっちゃ好き。刃の向きとか傘でも再現可能だし、キッズなら真似不可避だろ。
 そして、その意味不明な抜刀術。刀を半回転させるらしい。いやマジで意味が分からん。肝心のところの説明がないままジジイが仲間殺しを自慢し出すのでサッパリである。てか、あの程度で皆殺しはいいのか。そんなありがたがるべき剣術なのか。
 まぁ、その半回転の持ち換えが、今目の前にいる昼彦が得意とするところなので非常に参考になる。からの、サムラ直系の剣術を持つ人が現れることで、ついにチヒロも完成する。結局天才の才能任せという感じでちょっと好きじゃないけど、一応チヒロは「見て学ぶ」を徹底してるのが良いですね。
 んで、エレベーターを使って、居合い早撃ち対決。よくもまぁ次々と面白いエレベーター使いを思いつきますね。すごい。ただ、タイミング的に同時にドアは開かないと思うし(チヒロのが遅い)、結局昼彦も自由を捨てて剣術に頼ってるのが少し気になるところではある。
 イヲリの説明は全然されなかったので残念……というか、今回の「身体の記憶」も説明した風で全然分からん。パパサムラが修行してくれたってのも考えにくいと思う……たぶん。とはいえ、イヲリが安易な強キャラではなく、特別強いわけじゃないけど直系の技術なのでチヒロの参考にはなる、という落とし所はめちゃくちゃ良かった。いや、それでも「殺さなくても指切り落とすってもう一線越えすぎじゃない??」とかやっぱり気になるところではある。まさか説明が1話丸々焦らされるとはな。気になるけど、引っ張りとして機能するタイプの焦らしではないと思うので、今回のチヒロの活躍がちょっとブレた印象。

エンバーズ』5話

 JK監督、人を褒めて伸ばす、というか操るのがうまそうな感じで良いですね。ちょっとした出番でそれが伝わってくる。まぁ、ちょっとやりすぎというか、普通に怖さもあるレベルなのだが(『チェンソーマン』マキマとかそういう類)、変人なのはたぶん計算なのでちょっと怖いくらいでいいんだと思う。
 ほとんど超能力なプレイヤー対策として、現実的な戦術を使う。が、そのキーとなるのはやはりほとんど超能力的な主人公の反射神経。そりゃそうなるだろという話ではあるが面白い。というか、サッカーの戦術の話になると当然『ハイキュー』からは離れることになるので安心できる。いや、個人的にはジェネリック『ハイキュー』を最後まで突き詰めてくれてもいいんだけど……(できるなら普通に面白いってことなので)。
 作戦。全員がハーフラインより前に上がって、神出鬼没カウンターを誘う。それを主人公の反射でねらい打つ。カウンターのカウンターが決まったときには、ヘビ先輩は守備に回れないのでそこで決める。なかなか面白い。というか、主人公の反射神経の使い道(ディフェンス)がやっと分かった。相手のカウンターが成功した瞬間、限りなくゼロの間隔で対応できるのでカウンター殺しになれる。後出しジャンケンみたいな感じですね。厳密には後出しじゃなくてほぼ同時出し。本来ならオフサイドライン上での攻防ってことになるけど、主人公にオフサイドラインは理解できないのでハーフラインより前に出る作戦(オフサイドライン=ハーフラインで固定される)。ハーフラインで自陣と敵陣を二分することで説明も分かりやすくなってたし、初めて主人公がチームプレイをする話としてかなり良かったと思う。無限に難しくなる戦術の中で、限りなくシンプルにしてるのが良い。今後はオフサイドラインの管理が課題になるんだろうなぁ。普通に苦手そう。
 ……そして、これ以上複雑な話になると私の理解が追いつきません。そして、テキストで説明すると文章が難解になるので、軽く調べるのも面倒だし、私が感想として書く場合もつまんない文章になりがち。困った。

センターカラー『センセイフコク。』鳥羽裕貴

 読切。9連読切企画の3/9。まさかの本格ラブコメの到来に驚きつつ、そういうジャンルの幅を見せるのが今回の企画意図なのだとすると、ちょっと今後も楽しみですね。
 カラー扉。「ジャンプのラブコメってヒロイン複数人いないといけないルールなんですかぁ!?」と言いたくなったのだが、本編を読んだらどうやら同一人物らしい。髪の色はいいけど、目の色は無理じゃろ……。
 本編。 “ベランダを行き来できるほど近い家に住んでい” る年上幼馴染のことが好きだが、ある日突然彼女が担任教師になる。戸建てでベランダを行き来できることってあり得るんですか? 防犯の問題とかすごく気になる。マンションとかで、事故で非常時の通路の壁壊れちゃったけど仲良しなので放置、とかなら分かるのだが。
 野暮なことは承知だけど、クライマックスが演出のため雨なんですが、「雨でベランダ移動するの危なくない? 玄関からで良くない?」ってなりました。
 酒にだらしないお姉さんが教師モードではすっかり素敵お姉さん。教師モードの途中でいつものノリが垣間見える感じとかなかなか魅力的でした。外面と本当の姿というのが単純化されてて良い。あと個人的にはモブ生徒のリアクションであった “雅だ…” の天丼が好き。発言者はメガネだと思う(偏見)。というか、教師に変身するなら彼女がメガネかけるべきだと思う(強欲)。
 先週の予告の段階で気になってた「今時教師と生徒のラブコメって正気か!?」の件。ちゃんと正気だった。順調に仲良くなってたが、突如として「教師と生徒」になってしまったので “告白しても確定で振られるのでは…?” という前提の話。なるほど、苦難として「教師と生徒」になるわけか。面白い。そんな年離れてたらそもそも振られるの確定だったのでは……と思わんでもないけど、まぁ振られる理由が増えるのは間違いないのでヨシ。
 年上女性へのアプローチ作戦。ことごとく失敗、を通り越してカウンター食らうのも楽しい。ラブコメ作品における胸キュン的な瞬間というのを「攻防」にしてるのが良い。そんな作戦の副産物として、モブ生徒からモテ出すのも理にかなってるというか、展開が連結してるようで面白い。タメからは大人っぽいと見られることに成功したが、肝心の人からは子供っぽいまま。なぜかと言えば、彼のやってる「成長」はすべて学生としての成長なので、いくら成長しても「理想の学生」になるだけ。妙にロジカルに話が展開してるのが良いですね。単なる胸キュン大喜利ではない。
 そして、思わぬタイミングでクリーンヒットが生じるのだが、それは生徒として、教師としての彼女を賞賛する瞬間。成長の話になったけど、彼女の成長はまさしく教師としての成長なので、それをその顧客である生徒からホメられたらそりゃ嬉しいよね。教師という肩書きを主人公は毛嫌いしてたけど、一度諦めて教師としての彼女の話になった途端、その言葉が響く。ちゃんと、言われてみれば当たり前な話が次々と展開していくのがとても良い。
 んで、すべてを捨て去り、剥き出しになった主人公が漏れ出る言葉として告白。これも良い話だと思うし、その返事をうやむやにして、その反面2人のテンションが最高潮になった瞬間にそのまま劇終というのも良い。切れ味のある終わり方で面白かったと思う。が、恥ずかしながら「結局どういう結論だったの?」となってしまった。たぶん、普通に卒業まで待つので楽しみにしてるよ、的なことだと思うんだけど、恋を教える云々がマジで意味不明だった。別に教えろなんて言ってないというか、決めフレーズを無理矢理ぶっ込みすぎて違和感が生じてしまった感……だよね? これで私だけだったら恥ずかしいのですが。「青春を溶かす」も正直どういう意味か分からなかったです。エモそうな話になると途端に話が理解できなくなる悲しきモンスター。
 あと、これは個人的な好みもあるかもしれないんですが、この話、この関係性だったらノルマのようにヒロインの照れ顔を入れなくても良かった気がする。いや、初めて対等の関係に近づけたので一瞬だけ照れ顔が見える、と考えたら自然なのかもしれないけど、それまでが照れ顔に頼りすぎないバランスになってて勝手に新世代を感じてたので「結局コレか~」となった。勝手に期待して勝手にガッカリするのも厄介な話で申し訳ないんですが。
 終わり。面白かったです。「教師と生徒とかないよねw」という前提で、作戦や攻防が組み立てられる話がとても良かった。戸建てのベランダ設定はちょっと混乱したけど、最後の場面の自分の家に戻ってから告白する、境を跨いだ位置関係は普通に効果的だったと思います。まぁ、「ああいう家結構あるよ」ということだったら申し訳ないです。私が非常識なだけ。

『僕とロボコ』223話

 映画の主題歌があのちゃんらしく、あのちゃん回。宮崎先生の実在の有名人イラスト大好きなので嬉しい……と期待してたんですが、最後に出てきたあのちゃんは正直ちょっと期待外れだったというか、もっと普段の『ロボコ』の絵柄に寄せたやつが見たかったんや。浜辺美波とか超うまかったので(ケンコバも)。
 スーパー有名人なので何となくレベルでもあのちゃんはお馴染みだったんですが、細かいあのちゃんの特徴の話になると途端についていけなくなったので悲しい。若者の話題についていけない老人である。ベッキー嫌いなの……?(まぁお世話になる本作がネタにするくらいだから大して禁断の話題でもないってのは想像に難くない)

ROCK THE JUMP

 creepy nuts後編。またライムスターの話してるので笑ってしまった。律儀すぎる。インタビュー本文の方でファーストアルバム論(ファーストからの変遷の話)が出てきて、今回挙げた他薦曲もライムスターのファーストから1曲あるんですが、ライムスターは自身のファーストを大嫌いだと公言してて、当然2人もそれを知っていて……というややこしい事情はある。単に、偉そうなこと言ってる人も別の曲では、という話の一環としても読めちゃうのも面白い。まぁ言ってることが変わったからファーストが嫌い、と考えたら一貫してるか。

センターカラー『ひまてん!』32話

 殿一、風邪を引く。ホノヒマカンの3人が「自分のせいじゃ……」と考えてたけど、普通にびしょ濡れになったエピソードがあるのでひまりのせいだと思う。いや、ひまりの仕事に向かう途中の事故なので因果関係は多少あると言えるが、もちろん責任はないです。
 定番の看病回かと思ったら、まさかのパパてん。意外すぎる。しかし、そこから3人との関係性を一旦整理し、殿一が今後を考える話になるのはめちゃくちゃ良かった。マイホームの目標とか普通に忘れてたんですが、それを達成するには結婚(恋愛)が不可避、と繋げるのも良い。まぁ、厳密に言えばもうちょっと選択肢ある気もするけど、そんなとこつついても仕方ないのも分かる。
 現状の殿一、気持ちは当然叶さんだが、仮にその先を具体的に想像すると、必然的にひまりとカンナとの関係は閉ざされる。家政婦と応援という「仕事」で繋がってる線が絶たれる。ここも相変わらずで面白かった。まだ恋愛感情かは分からない(違うと思ってる)けど、だからといって関係が絶たれるのはつらい、というのもリアルな悩みで良いね。
 ただ、結論は一旦保留にして今のうちに女遊びを楽しむ……というのが今回のオチだった気がするんだけど、なんかヤバさを感じる話だ。友達として夏休みを楽しむって話なら全然いいんだけど、それだと「ヒロイン」の言葉と矛盾するんだよな。

『あかね噺』148話

 アウェーの空気でも圧倒できるのが今のあかね。それは分かるが、今回の高座が始まってもう丸々2話以上やってるので、「まだ最初の空気のこと考えてんの?」とはなるな。最初のあくびでアウェーの空気は吹っ飛んだ、という話だったろ。
 要するに、本話はかなり消化試合的な感じがあって、最後に話が変わって新章開幕! となるのはアガったが、それ以外はちょっと「あかねが圧倒したのはもう分かったよ」という感じだったな。もちろん落語描写自体は楽しいのだが、話が停滞してた。

『Bの星線』4話

 ベートーヴェンの演奏。当時は必ず「名作曲家→名演奏家」というのは面白かった。モーツァルトも映画『アマデウス』ではめっちゃ自分で弾いてたもんな。言われてみれば納得ですわ。
 具体的に当時の音と今の音って同じなのか少し疑問ではあるんですが、世界で最も「熱情」の正しい解釈を持ち、それの正しい演奏経験が豊富な存在がベートーヴェン自身、となるのは超良かった。もちろん、後年の研究によって良くなる面もあると思うけど、どこまで行っても「これはこれで良い」みたいな感じで、正しさという意味では当然ベートーヴェンしか知り得ないですね。これは強い。ジャンプ作品に出てくる作中最強キャラは数多いですが、ここまで「だから最強」という説得力があるのは珍しいかもしれない。五条先生とかより全然最強に思えてしまうというか、五条の術式を最もうまく使えるのは五条自身、みたいな話。乙骨が劣った使い手になるのは当然。
 願書の受理。ケツの時間が決まってて、演奏時間が超過するので負け確だと思ったんですが、単純に「その人が聴き入ってしまったのでok」。こう省略して書くとクソみたいな話ですが、 “ピアノへの情熱… 再燃のトリガーは彼…か…?” と試験官が受理を渋っていた原因について納得してしまったので、少なくとも受理してくれるのは当然に思える。マジで「良い演奏を聴かせれば多少のルールは無視できる」というクソみたいな話なんだけど、「そうなるしかないよな」と納得できちゃうのがすごい。
 んで、ちょっと学園モノっぽい展開、個性の強い生徒たちと出会ってエンド。まだ転入試験残ってるんだけど、試験でも彼らが絡んでくるってことなのかしら。

『悪祓士のキヨシくん』34話

 気になってたジャックジョーの失われた記憶にフォーカスしたので嬉しい。が、正直期待外れ……という表現はちょっと違うが、あまりに問題がないので「特に気にすることもなかった」という感じ。断言はされてないけど、記憶失ったのも自分で弱体化したときの副作用ってことだよね。普通に良い奴が自分の意思で、別の良い奴として人間界にやってきた、という特に波風のない話。
 ただ、その過去についてジャックジョーやネハンがめっちゃ気にしてた、というのは良かった。めちゃくちゃ良い。ここらへんは本作の大きな魅力だと思う。そこにちゃんとキヨシとの友情が絡んでくるのも良い。一応体裁としてだけど、キヨシがいざというときのストッパーとして機能できるのでネハンとジャックジョーの友情は継続できる。2人の友情の話になると思ったので、それと同じくらいの重要さでキヨシが絡んでくるのが意外だったし、そこが良かった。

『シド・クラフトの最終推理』14話

 ルルの色仕掛け作戦。下手なのですぐにツッコまれて撤退だが、実はシドには有効だった。面白かったのだが、ルルが「あの程度でも効く」と知ってしまえば事態は取り返しのつかないほどに進展してしまう気がするのが結構ハラハラする状況なのかもしれない。まぁ、そんなことにはならない気もしますが。
 三馬鹿のガールズトーク。スフレの幼少期の恋、初回で匂わせてたやつすっかり忘れてましたが、意外とあっさり出ましたね。もっと大ネタになるのかと思ってた。肩透かしではあるものの、「実家に行ったことのあるルルだけがその相手がシドだと気づく」という展開を見せたので面白い。マジでこの3人(4人)、それぞれが持ってる情報や誤解がめちゃくちゃ入り組んできましたね。こういう面白さに転がっていくとは思わなかったです。なかなか良さそう。今後も面白そう。
 エリオのはすはす。魔が差して初めてはすはすしてしまった、ならまだギャグとして笑えるけど、エリオは助手なのでおそらく日常的にはすはすしてるってことだよね……? そうなると途端に、ちょっと怖いかもしれないw
 入り組んだラブロマンスに対してルルが一歩引いた、少しメタ的な立場を取るのが面白い。全体を把握して、シドの恋が成就すると女性への免疫がつき、現状唯一の弱点を克服される恐れがある……という思惑でルルが焦って攻める。ルルだけ裏があるというか、恋愛に対して別の目的が絡んでくるのがめちゃくちゃ面白いですね。彼女だけ特別とも取れるし、彼女だけ部外者とも取れる。

『ウィッチウォッチ』192話

 ケイゴ、スケーター時代は普通にファンとかいたし、そのモテ的な素質は今も健在なので実は全然陰キャでもオタクでもない説。オリンピックも目指すレベルだし、ファンも追っかけもいたらしい。『ツーオンアイス』読者としては地獄みたいなことになってないか心配になってしまう話である。男子フィギュア界(特に子供)に良いイメージが何もない。男子フィギュアそのものではなく、選手を取り巻く環境に。
  “マイナー映画が好きてお前が一番好きな映画アルマゲドンやないか” で一瞬笑ったのですが、よく考えると『アルマゲドン』は1998年の映画であり、どう考えてもケイゴが生まれる前の映画ですよね。昔の映画を掘った上で『アルマゲドン』が好きならミーハー的なセンスとは言い切れないような気もする。てか、今堂々とマイケル・ベイ好きと言ってる人がいたらミーハーよりも「あえて」のニュアンスが強くなるんじゃないかな。サブカルクソ野郎的なチョイスとしては結構リアルな気もする。「Y2Kのハリウッド大作が好きなんだよ」とか言ってる高校生がいたらちゃんと選び抜いた感あるよね(サブカルクソ野郎感は別問題として)。ケイゴは悪くない。未だに『アルマゲドン』がマスの権化みたいな聞きかじりのイメージで切り捨ててるカンシの方が悪い可能性がある。
 スケートやめたのは怪我ではなく、ウルフ覚醒によるアンフェア感らしい。ちょっと歴史が修正された気もするんだけど、これはこれで面白そうではある。ケイゴの自意識、自己評価の話に繋がるのも良い。ただ、「ウルフは少しくらい反省もしくは感謝しような?」みたいな気にもなりますね。まぁ、そういう話、ケイゴとウルフの和解みたいな話になる可能性もなくはないか。
 ウルフ。 “先に女喰うか” に引いてしまった。普通に引くというか、悪行の中でも一線を軽々と越えすぎというか、「もう何があってもこいつとは仲良くなれない」感。ナンパとか、はべらすくらいなら全然いいけど、 “女喰うか” はダメでしょ。共感不可能だよ。軽い女遊びをウルフの中では「女喰う」と表現してるのかもしれないけど、そんな過激な言葉を嬉々として使う時点で無理かもしれない……。
 ケイゴのウルフとの付き合い方、急に『呪術』における虎杖とスクナみたいなイメージになってしまった。表人格が勝手に背負いきれないほどの罪を背負い、その贖罪意識に押しつぶされる。重すぎる。

『逃げ上手の若君』193話

 ミマの文化的教養が武器のように活躍する話面白いよね。文化の意味合いが今と当時で全然違うのが伝わってくる。
 んで、吹雪の元へカチコミ。五重塔の最上階にいるらしく、あまりに『死亡遊戯』なので笑う。と思ったら若はショートカットして最上階に直行してしまった。一階ずつ戦ってくれよ。
 というか、あまりに早すぎる、インターバルはあんだけ丁寧にやったのに、まさか週を跨がずに吹雪に到達するとは。一応「誘ってました」と言い訳のような理屈は出てくるが、満を持しての決戦感にワクワクしてたらちょっと拍子抜けではないが、消化不良的な感じがある。まぁ、来週以降が本番ってことなんでしょうね。

『鵺の陰陽師』88話

 学郎、さすがに逃げる。ちょっと意外だったが、まぁ彼の目的は藤乃さんの奪還なので別におかしくはないか。どう見ても緊急事態なので、藤乃家がどうこうという問題を気にしてる場合ではない。
 んで、救援。パイセン&妹。修行の成果で変身ヒロイン感があり、緊張感がない。良い意味で。特にパイセンの方は急に衣装の女の子感が強くなったので驚くというか、誰かと思った。あのデザインってどうやって決めるのだろうか。本人の心理的なものが作用するのか。だとするとパイセンの心境の変化、趣味の変化みたいなものを味わうのも一興か。
 とはいえ、3人集まろうと、瞬殺されて然るべきくらいの実力差はあると思う。どうするのかと思ったけど、とりあえず逃げの一途なので、パイセンの機動力が頼りになる。以前にも感じたけど、「強さではかなわないがスピードでは負けてないので出来ることはある」という扱い、現実的なバランスが感じられて良いよね。

『願いのアストロ』43話

 シカバの過去。家族を失ったシカバ(とタイラ)を日極連のトップであるジジイが拾い、ジジイの呪いをたっぷり浴びた上で世剣へ養子として送り出される。「彼も可哀想なのよ」的な印象はもちろんあるんですが、「それはそれとしてやっぱり世剣金剛がクソじゃない?」となってしまうな。子供を転々とさせるなよ。とはいえ、金剛に恨みを抱く養子たちはどれも肉親関係に起因する、と規則性が見えてきたのは面白い。まぁ、家族から引き剥がされるんだから真相もクソもない気もするんですが。

『キルアオ』91話

 お義父さんにサツアイ。ラスボス感も漂わせつつ、子煩悩ギャグを差し込んでくるあたりがさすがのバランスである。ノレンが添え物にならない感じも見事ですよね。彼女は彼女でしっかり意志があり、個性を立ってて、当然話の中心。
 決闘を早く終わらせるための追加条件。生徒会長に勝って、自身が生徒会長になる。だったら今の生徒会長が婿として立候補したらゲームオーバーなのでは……とか気になってしまう。校長の息子だよね、たぶん。普通に婿になるの狙ってるやんけ。
 余興としてのロシアンルーレット。十三はガチだと見抜くが、体裁はあくまでもオモチャ。それを表立って言えないまま実行すると、お義父さんもまさかの実行。思惑と駆け引き、そして肝の据わった強キャラ感がそれぞれ魅力的ですな……とか思ったら何も知らないノレンも参加なので笑った。話の流れとしては納得だし、ホレ直すような瞬間なんだけど、本当の危険性を知ってる2人は魂が抜ける。ギャグ的に落ちるけど、お義父さんの不気味さは続いてるのでめちゃくちゃ面白い。何も知らないのである意味では部外者であるノレンが最後に一番かっこよくなってしまう。

『超巡!超条先輩』52話

 お嬢様と駄菓子。超巡のキッズ趣味としての駄菓子はイメージ通りだったんですが、駄菓子に走る理由が金欠なので笑った。切実すぎる。塩パスタよりも先にある世界としての駄菓子らしいが、普通に塩パスタの方がコスパ良い気がする。まぁ味の濃さを求めてるあまり、効率度外視で駄菓子に頼ってしまう、というのはある意味リアルなのかもしれない。怖い世界だ。
 駄菓子屋での金欠飯。予算管理がバカな買い物としても面白かったし、駄菓子屋の選択肢の豊富さがやはり魅力的ですね。金を増やす方法が2つも出てくるのにはマジで感心してしまいました。そして、てっしー&左門くん再登場。本人が出てきてもまだあのカードネタ続くんですね。意外だ。
 からの寿司職人。超神田寿司で働くという話は案外マジだったのかもしれない。両さんと同じ道だが、いちいちキッズ趣味に変換されてて面白い。
 オチ。サバイバルお嬢様からキモ警視へと繋がるのでマジ笑った。間違いなく今週一番笑ったページなんですが、今号の最後の最後のページなのですごい。大トリだ。映画のエンドクレジット後みたいなオチ。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 今週は足元のオシャレ特集。マジで全然意識してなかった部分だけど、どれも凝ったデザインしてあってすごい。何となくではなく、明確な意図と思考によって靴の種類とデザインがチョイスされてるのが分かる。漫画の世界、奥が深い。
 特に『魔男』がファンタジー感を踏まえたデザインになってるのとか感心しました。たしかにハイファンタジーだとファッション系が難しそうというか、見所の一つになりますね。学ランとかも出てくるけど。

次号予告

 そんな『魔男』が表紙巻頭。まぁそりゃそうでしょうねぇ……という感じもあるが、5ページもカラーあるらしいのですごい。特別待遇というか、単純に巻頭で5ページは珍しい。
 9連読切企画。2022年に一度載せてる人。今度はギャグ寄りになるのかな。

目次

 穴山編集が映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を観たらしいのだが、ジャンプも去年九龍城を扱った読切を載せてるので、是非とも連載化してほしい。面白かったので。
 重箱だけど、「トワイライト・ウォーリアーズ」は表記が違います。気をつけなはれや。



愛読者アンケート

 読切についてと、付録の『SAKAMOTO』シール。トップテンキャラのシールかと思ったけど、よく見たら8位までなのね。周と平助のファンは泣いていい。

総括

 水曜更新ならず。無理です。話が長すぎる。短くする努力をするべきだが、正直書くだけで普通に大変なので、それだったら気楽に書く楽しみを味わいたい……となりがち。とはいえ、今年入ってから大体3割くらい長くなってるので、たぶん余計な長さなんだろうな。
 とはいえ、水曜の段階で一応書き終わりはしたので、そこそこ良くなってはきてる。と思う。

 今週のベスト作品。読切。面白かった。
 次点というか連載の中だと『エンバーズ』が主人公の活路が見える回として良かったです。

 ベストコマ。読切の、ベランダの境を跨いだ状態での告白の場面、2人を横から撮ったコマ。 “いずれ柚葉を振り向かせてみせるから” のとこ。ああいう一線を挟んだ構図好きだし、一線を踏み越えないが諦めるわけでもない、というのが主人公の決断の内容と一致してて良い。

 ベストキャラ。『魔男』のゴクラク。新キャラ紹介回としてかなり良かったです。とはいえ、巻頭回で勝負する内容は結局男キャラなのか……というのは少し残念。意外と男だらけの話だったでござる。
gohomeclub.hatenablog.com